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ぴあ

いま、最高の一本に出会える

第7回

ヤン・イクチュンをつくる映画~国境を越える映画人~

『息もできない』にも通じる思いを抱いた『わたしは、ダニエル・ブレイク』

月1回

19/5/24(金)

今回の作品は、イギリスの名匠ケン・ローチ監督の2016年作品『わたしは、ダニエル・ブレイク』。貧困にあえぎ、人間としての尊厳を踏みにじられる思いの中で、必死に生きていこうとする労働者や社会的弱者の姿を描いた作品で、ローチ監督にとっては2006年の『麦の穂をゆらす風』以来、2度目のカンヌ国際映画祭パルムドール(最高賞)を受賞した作品。

イクチュンさんは、自身の代表作『息もできない』にも通じる思いを、この作品に抱いていたようです。

どこか“捨てられている”感じに
気持ちが向いてしまう

─── ケン・ローチ監督の『わたしは、ダニエル・ブレイク』には大変な思い入れがあるようですね。

この作品に関しては、主人公ブレイクも含めて、出てくる人々全員が“社会に捨てられた人たち”という印象がありました。やはりケン・ローチ監督の『SWEET SIXTEEN』にも、ひとりの男の子が出てくるんですが、彼も、母親もいるし家族もいるのですが、どこか“捨てられている”感じがしました。私はどうも、そのような作品に気持ちが向いてしまうようで、違う監督の作品でもそうなんです。

私の『息もできない』の中にも小さな男の子が出てきます。彼も母親が離婚したことによって、父親から“捨てられている”。また、私が監督として次回作に予定している作品にも子供が出てくるんです。子供というかたちにはなっていますが、結局は、社会から捨てられた存在に目を向けてしまうんですね。見ていて胸が痛くなるような存在に共感を覚えることが多いんですが、それはおそらく自分が幼年時代、似たような経験をしたことがあるからだと思います。

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