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日向坂46、『HINABINGO!』への期待 オードリーとの『ひらがな推し』で得た成長を振り返る

リアルサウンド

19/4/4(木) 7:00

 日向坂46が、デビューシングル『キュン』で、女性アーティストの1stシングルによる初週売上枚数歴代1位を記録し、華々しいスタートを切った。そんな彼女たちの冠番組『全力! 日向坂46バラエティー HINABINGO!』(日本テレビ系)が、4月16日よりスタートする。アイドルバラエティの登竜門である『BINGO』シリーズには、日向坂がけやき坂46(以下、ひらがなけやき)だった約1年前にも、『KEYABINGO!4』という番組名で単独出演していた。また『KEYABINGO!4』と同時期に始まった彼女たちの冠番組『ひらがな推し』(テレビ東京)では、バラエティ力が著しく開花した印象だ。そんな『ひらがな推し』もまたグループ改名に伴い『日向坂で会いましょう』にリニューアル。放送地域が拡大して、新年度に新たなスタートを切る。

(関連:日向坂46の笑顔に隠された葛藤とは? 佐々木美玲、井口眞緒ら『キュン』特典映像から感じたこと

 昨年4月は、ひらがなけやきにとって、日本武道館3daysを成功させ、単独のデビューアルバム発売が決定するなど、欅坂46とは別のグループとして本格的に始動した時期だった。『BINGO』シリーズは秋元康プロデュースのアイドルグループが1クールを務める枠で、外へ向けた番組という印象だが、『ひらがな推し』は日向坂のホームと言える番組だった。メンバーそれぞれの個性やグループのモットーである“ハッピーオーラ”を思いきり世間に届けることができる冠番組を持ったことで、これまで以上に責任感を自覚した彼女たち。今や笑いあり、涙あり、歌ありと、現在放送中のバラエティの中でも突出したエンターテインメント性を備えた番組と言っても過言ではない。日向坂を知らなくても十分楽しめる内容となっている。

 その最大の成功の要因は、司会のオードリーと日向坂の相性の良さだろう。若林がよく口にする「男子校マインドの二人の掛け合いについていこうとする日向坂の姿勢」が面白いのだ。日向坂メンバーは、若林にハマろうと試行錯誤した答えやツッコミを用意する一方で、春日にはイジっても大丈夫というスタンスで攻める。ボケとツッコミが両方学べると同時に、オードリーに笑ってもらおうとチームワークが生まれるのだ。また女子に対して若干人見知りする二人に対して、日向坂側から距離を縮めたいと提案し実現した「オードリーとの距離をもっと縮めよう」の回では、女子校の先生に対する生徒のイジりのような近づき方が実に微笑ましかった。最近では、オードリーが日向坂のシチュエーションコントの相手役に挑み、お笑いの方程式にはない彼女たちの斬新なボケやツッコミを巧みに拾っていく姿など、彼らが試されるようなケースも目立ってきた。そんな日向坂とオードリーの絶妙な距離感がどんどん魅力的になっていく。

 とは言え、丹生明里がブログに「えっ、オードリーさんと一緒に、番組に出演…
テレビだよ!当たり前じゃないよ!と思います」「沢山の感謝の気持ちでいっぱいです」と綴っているように、しっかりとオードリーをリスペクトしている様子も伝わってくる。最初の頃、若林が高瀬愛奈の名前を覚えていないという疑惑の話になった時、「まなふぃ(高瀬のあだ名)で覚えてるのよ。でもおじさんが言ったら気持ち悪いでしょ」と語っていたが、最終回では「まなふぃはどう?」と自然に話を振っていた。そのやりとりに、1年で距離が縮まり、良い信頼関係が築かれていることを改めて実感すると同時に、日向坂のメンバーがあだ名呼びされても違和感がないほど、国民的アイドルになりつつあることも感じた。

 番組のプロデューサー長尾真は、『BUBKA』(5月号)で「番組がグループにとって“カタログ”になればいい」という考えを明かし、各メンバーの外仕事に繋がっていくのがベストだと語っている。だからこそ、番組側はメンバーのアイデアを積極的に採用し、結果的にそれぞれの個性が伸びているのだろう。たとえば、井口眞緒の「スナック眞緒」。普段はマシンガントークの井口だが、スナックのママというキャラを得たことで、聞き手側に回るようになり、相手の良さを引きだす才能に長けていることが判明した。また「スナック眞緒」のバイト役・宮田愛萌もしっかりとした仕切り力を見せつけ、潜在能力が発揮された印象だ。

 他にも佐々木久美キャプテンの重要さや、若林にもツッコミを入れる加藤史帆のガヤ力、とにかく明るい性格の丹生の愛らしさ、もはや様式美になりつつある柿崎芽実と宮田のぶりっ子キャラ対決、『キン肉マン』回で必死に予習してきた松田好花の勤勉さ、富田鈴花のキャラ迷走というキャラ、若林ご贔屓の小坂菜緒と高本彩花など、今まで以上に彼女たちの個性が発揮され、各メンバーの存在感やグループでの立ち位置が明確にされていった。そんなメンバーのキャラを発掘していく過程が見られたのも、この番組の良さだろう。そして“カタログ”という意味で重要だったのが、アルバムや新曲のリリース時に毎週あった歌のコーナーではないだろうか。シングルデビュー前は歌番組に出る機会があまりなかった日向坂なだけに、非常に有意義なコーナーだった。しっかりと作られた豪華な歌用のセットからは、スタッフの愛情も感じられる。

 1年間かけて彼女たちの個性をじっくりと発掘し、見る側に親近感を覚えさせたところで、最後の3週ではヒット祈願の駅伝企画を放送。明るく楽しいイメージの彼女たちが涙を流しながら必死に走り、いつもはあまり見られない先輩後輩の関係や助け合う姿も垣間見え、多くの視聴者が感動したはずだ。そして最終回では、追い討ちをかけるように『日向坂46 デビューカウントダウンライブ!!』の映像を放送。だが、ただ涙を誘うのではなく、日向坂ロケに同行する佐藤満春(どきどきキャンプ)のお馴染みの号泣シーンも流すというスタッフの粋な編集で、笑いの要素も入った楽しい感動に持っていくところが、この番組の優れた点であり、素晴らしい最終回だったように思う。

 そんな成長した日向坂が、『BINGO』シリーズに帰ってくる。MCはまだ発表されていないが、オードリー以外と組むことで、どんなバラエティ力を見せてくれるのだろうか。先日の『NHK 沼にハマってきいてみた』(Eテレ)では、『ひらがな推し』で培ったキャラとネタで大いに番組を盛り上げていただけに、期待に胸が膨らむ。(文=本 手)