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清水尋也と柾木玲弥が大人たちを翻弄 坂口健太郎主演『イノセンス 冤罪弁護士』若手役者の好演光る

リアルサウンド

19/2/17(日) 12:00

 本サイトのインタビューでも坂口健太郎本人が話していたように、彼が演じる黒川拓という人物は、きわめてニュートラルに物事を捉え、毎話、「事実は分からない、だから徹底的に調べて明らかにする」という強い信念を持って冤罪弁護を引き受けていく。そうして作り上げられていく拓の濁りのないキャラクターは、冤罪を背負ってしまった人々、またそうした人々を取り巻く当事者を優しく受け入れる包容力がある。前半の折り返しである『イノセンス 冤罪弁護士』(日本テレビ系)第5話では、ゲスト出演の豊原功補、清水尋也、柾木玲弥らが関わったパワハラを巡る事件をはじめ、和倉楓(川口春奈)の過去のセクハラ被害、日本の報道姿勢に疑問を抱く聡子(市川実日子)など、様々な人物の苦悩とそれによる行動が描かれながら、やはりすべてを包み込む拓によって救われていく人たちの姿がそこにはあった。

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 今回、保駿堂法律事務所へ弁護を依頼したのは、フェンシングの強豪校で監督を務める高松洋輔(豊原功補)。練習の指導中、部のエースである藤里瞬(清水尋也)を剣で突いたことで彼が倒れて心肺停止に陥り、危うく一命はとりとめたものの、業務上過失致傷の罪で訴えられてしまう。しかし高松は必要以上に強く突いたつもりはないと主張し、医療の専門家からも、フェンシングの突き程度で心肺停止は生じないとの結果が。フェンシング部員のひとりである田代(柾木玲弥)からも、高松と藤里の間には何もトラブルがなかったと証言
台で証言したいとの協力的な発言を経て裁判は順調に進むと思われたが、弁護側証人尋問の場でその田代が、高松から部員へのパワハラと体罰が存在していたとまさかの告発。証拠映像までもが明るみに出てしまう。

 いきすぎた報道によって過度に追い詰められていく高松に、ハラスメントを受け苦しんでいた藤里と田代をただの被害者としては描かなかったことで、ストーリーは複雑な展開に。楓の過去のセクハラ被害などの事象も絡みながら伝えられていったのは、たとえ事実であったとしても、それを晒すことは社会からの事実の捻じ曲げにつながる危険性があるということ。また、それが冤罪となるとさらに様々な人の人生を脅かしてしまう可能性があるということだった。

 今回の見どころとなったのはやはり、ストーリーを一転させた田代の告発だろう。立場的に弱者である彼の発言は、とても切実でありながら、しかしどこか影があるように見せられていく。『高校入試』(フジテレビ系)や『インベスターZ』(テレビ東京系)などで度々共演している清水と柾木は、前述のドラマを彷彿させるような大人を翻弄する演技を繰り広げ、清水も、ラストでようやく心情を語り出すという役柄でありながら抜群の存在感を放っていた。『グッドワイフ』(TBS系)や『スキャンダル専門弁護士QUEEN』(フジテレビ系)、今までのリーガルドラマと比べると、主演の坂口とヒロインの川口を始め、比較的若手の俳優が物語の中心に置かれている『イノセンス』。それでも言葉や行動が軽くならずに重みのあるストーリーに仕上がっているのは、ゲスト出演陣も含め、説得力のある演技が展開され続けているからであろう。

 また、当事者と第三者という話の流れで徐々に明らかになる東央大学で過去に起きた殺人事件の内容。新たに明らかになったのは、別府所長(杉本哲太)の兄がその事件の弁護を担当しており、負けてしまったことが原因で世間からのバッシングを受けて病に倒れ、亡くなってしまったこと。そして、秋保(藤木直人)だけが、おそらく妹が殺害されたという過去を持つ事件の当事者であるということ。物語は前半戦を終えてますます軸となるストーリーの謎は深まるばかりだが、これからの展開や坂口健太郎とゲスト出演陣との掛け合いにますます注目していきたいところだ。  (文=原航平)