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“極道でアイドル”奇想天外な3人組 ゴクドルズ 豪華作家陣によるデビュー作『IDOL Kills』の魅力

リアルサウンド

19/2/13(水) 8:00

 極道として生きてきた3人の若い男が、不始末の責任を取らされる形でタイで性転換をし、組長のプロデュースでアイドルとしてデビュー。思いもよらず人気急上昇となり、極道である本来の自分と女心の間に揺れることになる……。映画『BACK STREET GIRLS -ゴクドルズ-』に登場するアイドルグループ・ゴクドルズとは、そんな3人組だ。

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 映画『BACK STREET GIRLS -ゴクドルズ-』は、そもそもは「週刊ヤングマガジン」でジャスミン・ギュが連載していた漫画『Back Street Girls』を、2018年のアニメ化に続き、2019年に映画化したものだ。そこに登場するゴクドルズを劇中で演じているのは、岡本夏美、松田るか、坂ノ上茜。さらにゴクドルズがアルバム『IDOL Kills』でCDデビューをするという、虚構と現実の境目を飛び越えた展開になってきた。

 しかも、作家に迎えているのは、清竜人、HAN-KUN、最上もが、chelmico、YUC’e、ORESAMA、大石昌良といった、音楽性もバラバラの顔ぶれだ。

  なかでも注目したいのは、すでにMVも公開されている「恋して♡愛して♡養って♡」だ。作詞作曲編曲は清竜人。背中に刺青が入っている彼は、2019年1月19日のライヴで『BACK STREET GIRLS -ゴクドルズ-』に触れて「共感しやすい」という主旨の発言をしていた。

 「恋して♡愛して♡養って♡」は、メンバーの「おー」っという肉声から始まるのだが、これはChicの「Le Freak」へのオマージュだろう。実際、サウンドはディスコ歌謡で、最近の清竜人の歌謡曲路線にも通じるものがある。終盤ではジャズへと展開していくのも清竜人らしい混沌ぶりだ。アイドルがファンに求めるものを生々しく描いた歌詞も、清竜人25でアイドル活動を経験した清竜人だからこそ書けるものだろう。

 ORESAMA作詞作曲、ORESAMAの小島英也編曲による「ヴィーナス」は、彼ららしいエレクトロポップ。シンセドラムの音色やボコーダーなど、80年代ポップスのエッセンスを盛りこんだサウンドはさすがのセンスだ。chelmicoのRachelとMamikoが作詞を担当し、彼女たちにryo takahashiを加えた3人で作曲しているのが「Why」。オールドスクールな感触のラップナンバー。YUC’eが作詞作曲編曲した「妄想レッツGO!」は、ジャジーな要素が濃いトラック。さらにラップのパートもある構成だ。

 「酒と泪と男が女」は、湘南乃風のメンバーでもあるHAN-KUNが作詞作曲。壮大なスケール感と高揚感をあわせもつ楽曲だが、終盤では突然演歌調のパートも飛びだす。最上もがが作詞を担当しているのが「Verbena」。一瞬の感覚、過去の光景、他者との距離、あるいはもどかしさ。そうしたものを作詞家・最上もがが鮮やかに描いている。大石昌良が作詞作曲編曲した「ゴクドルミュージック」は、TVアニメ版のオープニング曲のカバーで、オールディーズ風味がスパイスになっているミュージカル調の楽曲。その他の映画挿入歌も含め、クオリティの高い楽曲ぞろい。映画という架空の世界から生まれた、現実世界に存在する『IDOL Kills』の音楽は、極道やアイドルといった生臭いテーマを扱っているはずなのに甘酸っぱい。(宗像明将)

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