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日本初上陸のプレミアムシアター「ドルビーシネマ」を体感 Tジョイ博多内覧会レポート

リアルサウンド

18/12/4(火) 10:00

 日本初上陸となるドルビーシネマが、JR博多シティ9階に位置するT・ジョイ博多に11月23日よりオープンした。

参考:<a href=”http://www.realsound.jp/movie/2018/12/post-287371.html”>その他画像はこちら</a>

 ドルビーシネマは、HDR表示を行うDolby Visionと立体音響技術Dolby Atmosを採用し、さらにシネマ体験に最適化されたシアターデザイン(インテリアカラー、空間デザイン、座席アレンジメント)が施されたプレミアムシアター。現在、北米からヨーロッパ、中国に至るまでの390以上のスクリーンが導入されている。

 オープンに先駆け、11月21日に内覧会、そして『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』『レディ・プレイヤー1』の記念上映が行われた。今回、リアルサウンド映画部では、最先端の劇場体験の真髄を体験すべく、博多まで飛び取材を敢行。その模様を編集部の安田がレポートする。

 ドルビーシネマというと聞き馴染みのない方も多いだろうが、実は欧米では3年ほど前に誕生し、徐々に市民権を勝ち得てきた。今では、IMAXと並ぶプレミアムシアターとして人気を博している。日本では、IMAXや4D、ScreenXなどプレミアムシアターオープンラッシュが一通り落ち着きを見せた2018年秋、満を持しての登場となった。

 まずシアター入り口に広がるスクリーンに目を奪われる。「AVP(オーディオビジュアルパス)」と呼ばれるこのエントランスは、映画体験を演出するためにデザインされたもの。11mに及ぶワイドスクリーンには、上映作品に対応した映像が流れる。『レディ・プレイヤー1』上映時には、仮想世界“オアシス”を模したユートピアが、『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』上映時には、魔法の残り香が漂う20世紀初頭のニューヨークの街並みがそれぞれ出迎えてくれた。ここで足を止めて写真を撮る観客も多く、新たなフォトスポットの誕生を感じる。

 きらびやかな外観の一方で、シアター内は黒で統一されたシックなデザイン。壁面に施された青い電飾以外は、全て黒で統一され、ビスタサイズの巨大ホワイトスクリーンが宙に浮かび上がっているかのよう。また場内を見渡すと、肝心なものが見当たらない。壁、天井にスピーカーが存在しないのだ。実はドルビーシネマは、壁にスピーカーを張り付け、さらにその内側に壁を作るというコクーン構造。観客とスクリーン以外の視覚ノイズを一切排するために徹底されている。

 座席は、スタジアムのように湾曲して配され、前方席は背もたれに傾斜をつけ、どの席でも見やすいように配慮がなされている。段床の差も申し分なく、前の人の頭が被る心配もない。座ってみると、腰の部分にクッションが厚くあてがわれており、長時間座っても疲れなさそうだ。

 内覧会では、登壇者のあいさつに続き、ドルビージャパン株式会社・代表取締役社長の大沢幸弘氏がドルビーシネマの魅力をプレゼン。ドルビービジョンは、最先端のレーザープロジェクターによるHDR(ハイダイナミックレンジ)映像としてハイライト部分はより明るく、暗部はより深い諧調で黒がグッと締まり、色表現が豊かなリアリティー溢れる映像を楽しむことができる。

 映像の豊かさは、プロジェクターの表示できるコントラスト比によって決まる。従来のコントラスト比1800:1では、黒を投射したスクリーンの前に人が立つと影ができるが、ドルビービジョンは100万:1のコントラスト比を実現。真の黒を再現し、実際にスクリーンの前に人が立っても影ができることはない。白はよりくっきりとなり、黒が締まった映像が体験できるとのことだ。輝度は、従来の14フットランバード(フットランバード:映画館のスクリーン反射輝度の単位)に比べ、2倍以上の31フットランバードでより明るい映像が楽しめる。

 ドルビーアトモスは、オブジェクトオーディオによる立体音響で既に世界4000以上のスクリーンに導入。採用された公開作品は1000以上、映画製作者は劇場の隅々にサウンドを配置し、自由に移動させることができる。邦画でのドルビーシネマでの相談もすでに来ているとのことだ。

 またドルビーシネマ3Dでは、2台のプロジェクターを利用してカラーホイルを使用せず、右目用、左目用それぞれの映像を投射する。従来のプロジェクターでは3~7フットランバード、ドルビーシネマ3Dでは14フットランバードを実現。体験してみて驚いたのは、非電池内蔵型の3Dメガネにも関わらず、頭を傾けても映像がズレないのだ。

 従来の偏光方式の3Dメガネでは水平状態でないとピントが合わず、IMAX3D、RealDなど例外なく正しい姿勢でスクリーンを見ないと3D効果は発揮されなかった。そのため、3D上映では、3D効果が得にくい一部の席を販売しないという劇場も少なくない。しかし、ドルビーシネマ3Dでは、色偏光の応用により、どの席からどの角度でも正しい効果が得ることができる。地味ではあるが、3D上映の一つの大きな課題をクリアしたと言えるだろう。

 その後の記念上映では、『レディ・プレイヤー1』『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』をそれぞれ2D上映にて鑑賞。上映が始まってまず目を見張るのは、シアター内の暗闇の構築力だ。前述の通り、シアターそのものが視覚ノイズを徹底して省いた構造をしているため、客電が落ちると、プロジェクターが起動するまでの数秒間、完全な闇が訪れる。その場に自分とスクリーン以外消滅してしまったかのような感覚を覚え、身が引き締まる。

 映像に関しては、大満足としか言いようがない。コントラスト比の高さにより黒の微妙なニュアンスすら再現してしまう。そのため特に、『ファンタスティック・ビースト』の夜間での戦闘シーンが鮮明に映し出される。DCコミック作品など、画面が暗い状態で戦闘が行われる映画にはピッタリではないだろうか。

 現在T・ジョイ博多では、ドルビーシネマオープニング作品として、『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』を上映中。これに続き12月21日公開の『アリー/ スター誕生』がドルビーシネマ対応作品として上映が予定されている。監督・主演を務めるブラッドリー・クーパーは、ドルビーシネマにすっかり魅了されたようで、本作の各国プレミア上映を可能な限りドルビーシネマで上映するように強くこだわった。ドルビーシネマでの上映が監督の思い描く作品の完成形とし、上映が叶わなかった地域では、自ら謝罪したとのことだ。

 世界中の映画人が注目するドルビーシネマ。果たして新時代のスタンダードとなりえるのか。今後の展開に目が離せない。

(取材・文=安田周平)

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