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第3回

キュアロンに直撃取材! 緊急『ROMA/ローマ』特集

『ROMA/ローマ』について誤解されがちな4つのこと

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19/3/18(月)

緊急劇場公開、さらには公開規模の拡大も決定と話題が続く『ROMA/ローマ』だが、まだまださまざまな“誤解”を抱いている人も多いのではないだろうか。本稿では、そんな誤解されがちな4つのポイントを解説。これを読んでおけばアナタも今日から『ROMA/ローマ』通!

1:『ROMA/ローマ』の舞台はイタリアのローマではない。

アルフォンソ・キュアロン監督が、自らの少年時代の思い出を掘り下げることで生み出した『ROMA/ローマ』。キュアロン自身の家族と住み込み家政婦だったリボという女性の実人生をベースにしているのだが、タイトルのせいで「イタリアのローマが舞台」だと勘違いされることがある。

実際の舞台は、キュアロンの生まれ故郷であるメキシコの首都メキシコシティ。タイトルが“ローマ”なのは、メキシコシティ中心部にある“コロニア・ローマ”という界隈に主人公一家の家がある設定だから。映画『パリ、テキサス』のパリがフランスのパリのことではないように、本作の“ローマ”は“メキシコシティのローマ”なのだ。

コロニア・ローマには、1970年代当時、キュアロン一家のような中産階級が多く住んでいた。しかしその後の開発や1985年の大地震で様変わりしてしまっていた。キュアロンは、外観については実際に住んでいた家の向かいの家を利用し、内部は別の建物を改装して、かつて暮らしていた家に限りなく忠実な撮影用セットを作り上げた。劇中の家具の7割は、兄弟姉妹の家から当時のものを提供してもらったという。

『ROMA/ローマ』撮影中のアルフォンソ・キュアロン

しかし映画を観れば分かるように、われわれ日本人の感覚からすれば、お手伝いさんが暮らす別棟があるなど、むしろ上流階級に属しているのではないかという印象を受ける。劇中で新年を祝うために訪ねる知人はアシエンダ(大農園)を所有する地主で、集まってきた家族それぞれがお手伝いさんを連れてくる様はセレブ生活にしか見えない。

その地主が、地元民との間に軋轢があることも語られている。劇中では山火事が発生するが、いさかいが原因で放火された可能性は否めない。

実はこういった直接語られない描写にこそ、キュアロンが描こうとした身分差別や貧富の格差の現実がある。当時のメキシコでは中流であっても(確かに経済的に裕福という描写はない)、先住民の出身であるクレオを家政婦として住み込みで雇うことが当然の暮らしをしているのだ。また、クレオの故郷で先住民の土地が簒奪されていることに対し、クレオが「何もできない」と無力感を吐露するシーンもある。いくら雇用主の家族に頼りにされ、親しい絆を結んでいても、先住民であるクレオたちは搾取される側なのである。

『ROMA/ローマ』
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