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「吉例顔見世大歌舞伎」より、「隅田川続俤 法界坊」の様子。(提供:松竹株式会社)

「吉例顔見世大歌舞伎」市川猿之助が生臭坊主を好演、尾上右近は俳優と清元で出演

ナタリー

18/11/4(日) 9:10

「吉例顔見世大歌舞伎」が11月2日に東京・歌舞伎座で開幕した。ステージナタリーでは、夜の部「隅田川続俤 法界坊」の様子をレポートする。

「顔見世」は、翌年1年間の出演俳優の顔ぶれを紹介する意味合いを持った興行で、歌舞伎座での「顔見世」は1957年(昭和32年)に復活した。今年2018年の公演には、尾上菊五郎や中村吉右衛門らが出演し、昼の部で「お江戸みやげ」「新歌舞伎十八番の内 素襖落」「花街模様薊色縫 十六夜清心」、夜の部で「楼門五三桐」「文売り」「隅田川続俤 法界坊」を披露する。

夜の部で上演される「隅田川続俤」は、「法界坊」の通称で知られる隅田川ものの1つ。色と欲に目が眩んだ生臭坊主・聖天町法界坊を主人公とした物語で、今回は法界坊役を市川猿之助が初役で勤める。家宝である鯉魚の一軸を紛失したことで家を取り潰され、現在は永楽屋で奉公している要助役を演じるのは中村隼人。14年に上演された同作で五百平役を勤めた隼人は、父・中村錦之助が演じた要助役に挑戦する。また、要助と恋仲である永楽屋の娘・おくみ役を尾上右近、松若丸の許嫁・野分姫役を中村種之助が勤めるほか、渡し守おしづ役として、14年上演版でおくみ役を勤めた中村雀右衛門が出演。なお、おくみ役の右近は、昼の部「十六夜清心」に清元栄寿太夫の名義で浄瑠璃方として参加している。

鯉魚の一軸を所持する源右衛門(市川團蔵)のもとにおくみが嫁ぐことと引き換えに、一軸を取り戻した要助だったが、許嫁・野分姫の存在が明るみに出たことがきっかけで、要助とおくみは痴話喧嘩を始めてしまう。そんな騒動の中、法界坊、源右衛門、永楽屋の番頭・長九郎(市川弘太郎)は一軸を手に入れようと画策するものの、道具屋甚三(中村歌六)の活躍により、要助は窮地を逃れた。

着古された着物を身にまとい、伸びきった坊主頭のかつらを身につけた猿之助は、女好きなうえに、窃盗に殺人とさまざまな犯罪に手を染める“破戒僧っぷり”を、テンポよく滑稽に表現。猿之助は法界坊として自由に立ち回りながら、隼人扮する要助や右近扮するおくみを翻弄していく。また法界坊が落とし穴を掘る場面では、17年の「スーパー歌舞伎II(セカンド)『ワンピース』」で左腕を骨折したことを自ら話題に上げ、「それ、リハビリだ」と元気よく鍬を振り下ろし、観客の笑いを誘った。

一方、甚三にこらしめられた法界坊が亡霊となるシーンでは、鬼気迫る表情の猿之助が、得意の宙乗りで登場。そして「大喜利 隅田川渡しの場」では、野分姫と法界坊の霊が合体した怨霊を演じ、桜が咲き乱れる隅田川の岸辺で美しい舞を披露した。「吉例顔見世大歌舞伎」の公演は11月26日まで。

「吉例顔見世大歌舞伎」

2018年11月2日(金)~26日(月)
東京都 歌舞伎座

昼の部:「お江戸みやげ」「新歌舞伎十八番の内 素襖落」「花街模様薊色縫 十六夜清心」
夜の部:「楼門五三桐」「文売り」「隅田川続俤 法界坊」

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