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back numberは東京ドームでもback numberのままだったーー骨太なロックバンドとしての佇まい

リアルサウンド

18/8/18(土) 10:00

 back numberが8月11日〜12日の2日間、初めての東京ドーム公演を開催した。7月29日にナゴヤドームでスタートした初のドームツアー『back number dome tour 2018“stay with you”supported by uP!!!』の2会場目となる東京ドーム公演は、両日ともにソールドアウト。幅広い年齢層の観客で埋め尽くされた会場で3人は、これまで通り、リアルな感情、リアルな姿を正面からぶつけるような、濃密でエモーショナルなステージを繰り広げた。


 2011年4月のメジャーデビューから7年4カ月で実現した初の東京ドーム公演。まずはこれまでのback numberのライブの軌跡を記しておきたい。

・2011年12月『スーパースターツアー』(ライブハウス全国4か所)
・2012年3月~4月『恋は盲目ツアー2012』(ライブハウス全国12か所)
・2013年1月~3月『back to the blues tour 2013』(ライブハウス&ホール全国17か所)、9月『live at 日本武道館-stay with us-』(東京・日本武道館)
・2014年5月~7月『love stories tour 2014』(ホール20か所21公演)、9月『love stories tour 2014』追加公演(横浜アリーナ2days、大阪城ホール)
・2016年1月~7月『back number tour 2016“ミラーボールとシャンデリア”』(ホール&アリーナ全国32か所39公演)
・2017年2月~6月『All Our Yesterdays Tour 2017』(全国アリーナツアー15か所30公演)

 ライブハウス、ホール、アリーナ、そしてドーム。7年以上という決して短くない時間をかけて、back numberは着実にリスナーの幅を広げ、ライブの規模を拡大してきた。インディーズ時代を含めて、地道とも言えるライブ活動を続けながら、常に生身でオーディエンスと対峙してきた彼らは(改めて強調しておきたいが、back numberは「高嶺の花子さん」「クリスマスソング」などのヒット曲でいきなりブレイクしたのではなく、ロックバンドとして真っ当な活動のなかで這い上がってきたバンドなのだ)、東京ドームでもそのスタンスを崩すことなく、真っ向勝負で観客に挑み、生々しいステージを体現してみせたのだ。

 まずライブ前半ではアッパーチューンを次々と演奏し、東京ドーム全体に心地いい一体感を生み出した。「東京ドーム! 会いたかったぜ! よろしく!」(清水依与吏:Vo/Gt)というシンプルな挨拶とともに放たれた「SISTER」ではオーディエンスが手拍子で応え、アグレシッブな4つ打ちと抒情的なメロディが絡み合う「青い春」では、「踊りに来たんだろう!?」(清水)という煽りによって高揚感が一気にアップ。大型LEDビジョン、レーザーなどの使い方はもちろんドーム仕様だが、すべての音と言葉をひとりひとりの観客に手渡すようなステージングは、これまでとまったく変わりない。

 「初めての東京ドームということで。(客席を見ながら)助かったよ、ありがとう。なるべく普通にやりたいと思ってるだけど、まあ、ムリでしょ(笑)? どうしても特別にはなってしまうんだけど、自分たちが一生懸命作ってきた歌が(東京ドームで)どう響くか、お互いに確かめたいと思っています」(清水)という最初のMCからも、東京ドームという日本最大級の会場、そして、この場所に足を運んでくれたオーディエンスと真摯に向き合いたいという思いが伝わってきた。また、清水の歌をしっかりと支え、骨太のバンドサウンドを生み出す小島和也(Ba)、栗原寿(Dr)の演奏からも、このツアーにかける思いの強さが感じられた。

 「いろんな時期に作った曲をやるので、どうか前のめりで楽しんでほしい」(清水)というコメント通り、今回のツアーでは約10年に及ぶこれまでのキャリアを象徴するような新旧の楽曲が演奏された。このバンドの軸とも言える切なくて哀しいラブソング、思い通りにいかない現状を打ち破ろうとする意志を描いたナンバー、ユーモアと攻撃性を交えたロックチューン。メンバー自身の生の感情が凝縮された楽曲が次々と披露され、東京ドームという晴れ舞台で大スケールのステージへと結びつく。まるでライブハウスのような臨場感と圧倒的なエンターテインメント性がひとつになった構成は、back numberならではのものだろう。

 個人的にもっとも心に残ったのは最新シングル「大不正解」(映画『銀魂2 掟は破るためにこそある』主題歌)だった。〈僕等は完全無欠じゃ無い〉というフレーズで始まるこの曲は、強靭なバンドグルーヴとダイナミックな起伏を持ったメロディがぶつかる合うアッパーチューン。ロックバンドとしての熱量の高さ、力強さが前面に押し出された「大不正解」を東京ドームで堂々と鳴らし、観客を熱狂させたシーンは、今回のツアーの大きなポイントだったと思う。「高嶺の花子さん」「クリスマスソング」「ヒロイン」「瞬き」などのヒット曲により、老若男女に愛されるポピュラリティを手に入れたback numberだが(実際、この日のライブにも本当に幅広い年齢層の観客が集まっていた)、根本にあるのは泥臭ささえ感じさせるロックバンドとしての佇まいなのだ。

 約3時間に及んだこの日のライブで3人は(良いことも良くないことも、本当にいろんなことが起きた)、喜怒哀楽すべての感情を呼び起こす、さまざまな表現を見せ付けた。自分たちの全部をさらけ出し、観客と対峙しようとする姿勢は、まさに“stay with you”。東京ドームでも彼らはback numberのままだった。そのことをはっきりと確信できたことが、このライブのもっとも大きな収穫だったと思う。

■森朋之
音楽ライター。J-POPを中心に幅広いジャンルでインタビュー、執筆を行っている。主な寄稿先に『Real Sound』『音楽ナタリー』『オリコン』『Mikiki』など。

■ライブ情報
『back number dome tour “stay with you” supported by uP!!!』(ソールドアウト)
7月29日(日)  愛知:ナゴヤドーム
8月11日(土) 東京:東京ドーム
8月12日(日)  東京:東京ドーム
10月27日(土)大阪:京セラドーム大阪
10月28日(日)大阪:京セラドーム大阪
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■イベント出演スケジュール
8月18日(土)SUMMER SONIC 2018 ZOZO マリンスタジアム&幕張メッセ
8月19日(日)SUMMER SONIC 2018 舞洲SONIC PARK
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back numberオフィシャルサイト

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