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シド、『暴れ曲限定LIVE』で見せた“刺激”と“興奮” 燃え尽き感100%のステージを振り返る

リアルサウンド

18/7/6(金) 19:50

 『SID 15th Anniversary LIVE HOUSE TOUR 2018』と題して全国各地で開催されてきたシドの全国ライブハウスツアーのファイナル公演(追加公演は6月27、28日に豊洲PIT)が6月16日にZepp Tokyoで行われた。

 今回は公演ごとに“ファン投票LIVE”、“昭和歌謡曲限定LIVE”、“インディーズ曲限定LIVE”などテーマが設けられて開催されたツアーだったが、この日は“暴れ曲限定LIVE”。

 ハンドクラップの中、配信されることが後に決定したライブSE「Colors」をバックにゆうや(Dr)から順にメンバーが登場。最後にステージに姿を現したマオ(Vo)は「今日はぶっ飛ばしていくぞ」と言わんばかりの戦闘態勢だ。

 オープニングはフロアにいっせいに拳が上がった初期から演奏されているナンバー「dummy」だ。イントロで明希(Ba)が「行くぞ!」とばかりに右手を掲げ、Shinji(Gt)が前に出てアグレッシヴにギターを弾きまくり、マオもお立ち台から下りて最前のファンが手を差し出すステージ先端へ。

 ひとことで言えば、この日のライブは刺激強めのシドだ。

 インディーズ時代の1stアルバム『憐哀 -レンアイ-』収録曲のシャッフルナンバー「隣人」ではマオがエロティックなパフォーマンスでペットボトルの水を撒き散らし、場内がエキサイト。シドもやる気なら、オーディエンスも最初から騒ぐ気満々だ。〈あざといキスはいらない 服従を命じよう〉と歌う「ENAMEL」ではヘドバン続出。エッジの立ったパワフルな演奏が時間を忘れさせていく。

 「一緒にぶっ壊れていこう! オマエら、どうせ俺がいなきゃダメなんだろ?」とマオが煽り、ゆうやのタイトなドラミングとShinjiのギターリフが印象的な最新アルバム『NOMAD』収録曲のセクシーで熱いナンバー「XYZ」へ。イントロでマオがジャンプをキメた「Re:Dreamer」では明希が太いベースを鳴らし、Hiコールの中、照明が明るくなる。開放感たっぷりのメロディとサウンドにメンバーからもフロアからも笑顔がこぼれた。

 “暴れ曲“と言えども、シドの守備範囲は広い。ファンキーな「MUSIC」では、楽器陣のテクニカルなアンサンブルも聴きどころ。複雑なリズムを涼しげな顔で叩くゆうや、Shinjiのカッティングに明希のスラップが絡みつき、マオの色気のある声が彩りを与えていく。

 「東京! 盛り上がってんな。ようこそ、暴れ曲限定ライブへ! さっきからフロアのみんながとっても楽しそうで飛び込んじゃいたい気分です。まだ序の口だよね。追加公演の豊洲があるけれど、今日はツアーファイナルですよ。ファイナルであり、暴れ納めです。次、いつこんなことやるかわかんないよ! 何が言いたいかわかる? 悔い残すなよ!」

 明希が煽ってのメンバー紹介では、Shinjiが汗で濡れた白いシャツを見て「シースルーのシャツ着た覚えないんですけどね」と沸かせ、「すごいパワーもらっちゃったので、ここから倍返しだぞ!」と煽る。ゆうやは「最後の暴れ曲限定ライブですよ。しっかり準備してきましたか?」と問いかけ、返ってきた大歓声に「ってことはやれるってことだね。よし。やってやろう!」と宣言。続けて「うちの大将、紹介します」とマオを紹介した。

 「じゃあ、ここからは俺たち、ねっとりと絡まっていこうと思います。もっともっとみんなと気持ちいい関係になりたいから」

 そんなマオらしい言い回しから、ライブは切り裂くような鋭い演奏で攻める「capsule」からイントロで「うおおおおお」という歓声が上がったインディーズ時代のナンバー「必要悪」へ。激しく、どこかねじれたナンバーをマオは熱唱。エンディングではShinjiが座りこんでフィードバック音を響かせた。そして近年のシドの中でロックに振り切れたナンバー「バタフライエフェクト」もライブならではの荒々しさで鳴らし、このまま突っ走るのかと思いきや、「新曲持ってきました!」と集まったファンを喜ばせ、本ツアー初披露のナンバー「VOICE」を演奏。〈世界でいちばん熱い夜にしよう〉と歌うこの曲は、メンバーのコーラスも含めライブ感たっぷりのアッパーなナンバーで、新曲にも関わらずハンドクラップで熱い盛り上がりを見せた。

 ライブは後半に向かうにつれて熱を帯び、「Dear Tokyo」では一体感が半端ないシンガロング。爽快感たっぷりの「one way」ではShinjiがドラム台に上がり、ゆうやと視線を合わせながらプレイ、明希はセンターのモニターに足をかけてビートを刻み、マオはHiコールと横モッシュで盛り上がる景色を見て「すげえな。オイ」と笑顔を見せた。

 そのテンションは途切れることなく、マオがシャウトし、Shinjiがエキゾティックなギターソロを響かせる「プロポーズ」を投下。ラストは“暴れ曲限定LIVE”の気分を象徴するような「眩暈」で締められた。

  シドとオーディエンスの両者が刺激しあい、挑発しあった本編が終了し、アンコールではマオが「セックスみたいなライブしようか?」とさらに煽り、大歓声。勢いそのままでの「赤紙シャッフォー」、続いてメタリックな「敬礼ボウイ」と硬派なシド全開。

 ダブルアンコールでも初期のシドをあますことなく見せつける。「park」ではShinjiが腕をぐるぐる回すアクションでギターを弾き、高速ヘドバンナンバー「吉開学17歳(無職)」では明希がフロアにダイブ。

 暴れ曲にふさわしい燃え尽き感100%のステージで魅了した。

 興奮さめやらない会場のスクリーンに今後のシド情報が発表されると再び大歓声。7月25日にはライブ映像商品『SID TOUR 2017 「NOMAD」』、8月22日にはミニアルバム『いちばん好きな場所』がリリースされ、9月より全国ツアー『SID 15th Anniversary LIVE HOUSE TOUR 「いちばん好きな場所 2018」』も開催されることが明らかになった。15周年のアニバーサリーはシドとファンが絆を深めてきた場所に焦点を合わせたものになりそうだ。

(写真=今元秀明)

■山本弘子
音楽ライター。10代の時にパンクロック、グラムロック、ブルースに衝撃を受け、いまに至る。音楽がないと充電切れ状態に陥る。現在、Webサイト、音楽雑誌などで執筆中。

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