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日向坂46、小坂菜緒が新エースとなりデビューへ 「キュン」フォーメーションから感じたこと

リアルサウンド

19/3/7(木) 7:00

 日向坂46(以下、日向坂)が、3月27日に待望のデビューシングル『キュン』をリリースする。先日公開された表題曲のMVは、楽曲同様、日向坂のイメージにピッタリの爽やかで青春の希望に満ち溢れたような映像に仕上がっていた。また3月5日と6日には、横浜アリーナで『日向坂46 デビューカウントダウンライブ!!』が行われ、同シングルの収録曲も披露するなど、デビューへの期待が今、最高潮に高まっている印象だ。

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 デビューシングルは、グループの指針を示す自己紹介的な役割として最も重要なものと言える。彼女たちの運命を左右する表題曲「キュン」で、日向坂の顔となるセンターに抜擢されたのは、二期生の小坂菜緒。小坂は、1stシングルにも収録されている「JOYFUL LOVE」がタイアップとなった昨年の『メチャカリ』のCM「MECHAKARI JOYFUL LOVE」篇でメインとなり、同楽曲で初センターを務めて以来、けやき坂46(現・日向坂46/以下、ひらがなけやき)の新エースとして活躍している。

 ひらがなけやきが欅坂46(以下、漢字欅)と合同でリリースするのは最後となる、8thシングル『黒い羊』の収録曲「君に話しておきたいこと」と「抱きしめてやる」の両曲でもセンターを担当している小坂。特に全タイプに収録されている「君に話しておきたいこと」は、ソロ曲を歌いセンター経験もある一期生・加藤史帆、齊藤京子、佐々木美玲が、小坂の後ろを固めるといった盤石なバックアップ体制となっており、独立後の未来を見据えたフォーメーションだと感じた。「キュン」ではそこにひらがなけやき初期のセンターである一期生・柿崎芽実が加わり、小坂を中心にセンター経験者が全員フロントに揃うという、最強のフォーメーションでデビューに挑むことに。正直、ひらがなけやき時代の長い下積みがあったため、一期生がセンターになるかと思っていた。だが、今勢いがある小坂をセンターに立たせたことから、思い出や過去にこだわるのではなく、サプライズを狙うわけでもない、完全に勝負に出たことを感じた。とは言え、小坂は16歳という年齢で大役を任され、プレッシャーも相当大きいはず。

 その思いを小坂は、3月5日に「空を見上げてごらん。そこには太陽がある。」というタイトルのブログに綴っている。漢字欅の8thシングルのカップリング曲と、日向坂のデビューシングルでのセンターは全く違うものだと考えていて、大事なデビューシングルのセンターが私でいいのかと思っていたこと。ネガティブな事ばかり考えていたこと。そんな小坂を支えてくれたメンバーたちに感謝していること。そして最後は「私は、不安や恐怖を自信に、活力に変えられるように頑張ります。迷惑をかけちゃうこともあるかもしれません。それでも日向坂46が素敵なグループだと思ってもらえるようにデビューシングル『キュン』を多くの方々に全力で届けたいと思います」と、不退転の決意で締めくくっている。センター小坂の前向きな意気込みに希望が膨らむ。

 さて「キュン」であるが、最初このタイトルを聞き、合いの手動画でメンバーが「キュンキュン」と連呼しているのを見た時、正直困惑した。ひらがなけやき時代の楽曲はアイドルソングとしての幅は広くも、自分たちの境遇や応援歌的な要素など、実力で成り上がってきた彼女たちにふさわしい硬派な歌といった印象で、そこに彼女たちなりのエモさがあったように思う。だが、「キュン」は王道アイドルの恋愛ソング。このどストレートさもある意味、ひらがなけやきからの卒業を意味しているのかもしれない。ただ、しっかり曲を聴いてみると、サビの疾走感と高揚感が気持ちよく、何度も聴きたくなる。彼女たちのポジティブさを、ひらがなけやき時代とは違う形で表現した新機軸が「キュン」なのではないだろうか。キャッチーなサビはCMにも使いやすいし、キュンキュンダンスもTikTokウケなどを狙え、多用できる利便性に優れた楽曲だと改めて感じる。カップリングの「JOYFUL LOVE」も、ザ・恋愛ソングであるため、日向坂はしばらくこの路線で行くのだろうか。今後の展開に注目したい。

 MVもまた、日向坂らしいハッピーオーラに包まれたものとなっている。新メンバーの三期生・上村ひなのが早くも参加し、以前と変わらず、全メンバーの表情がしっかりと映し出されているのが素晴らしい。また学校で踊るMVは、長濱ねる在籍時代のひらがなけやき初期の楽曲「誰よりも高く跳べ!」を彷彿とさせる。約3年間のいろんな思いが詰まった「キュン」での彼女たちの満面の笑顔を見ていると、「誰よりも高く跳べ!」からの成長ぶりを実感し、実に感慨深い。また小坂の決意のブログを読んでからMVを見直すと、彼女の素晴らしい笑顔がより印象的になる。

 ハッピーオーラだけでなく、心に秘めたパッションもまたグループの特徴で、これまで溢れ出る向上心を有言実行してきた日向坂。2月11日には、「約束の卵」の〈待っててくれるか? 夢叶うまで〉〈ハイタッチして抱き合いながら/涙を拭いて喜びたい〉という歌詞を実現するかのように、『SHOWROOM』配信の中でシングルリリースとグループの改名を発表。それからまだ1カ月も経ってない中で、『日向坂46 デビューカウントダウンライブ!!』の成功を収めるなど、快進撃を続けている。上村を含め、結果的にはメンバー全員が“日向坂46一期生”として同じスタートラインに立った今、あとはもうシングルデビューの日を待つばかりだ。(文=本 手)