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「柄本家のゴドー」の初日舞台挨拶にて、左から山崎裕、柄本佑、柄本時生。

柄本佑&時生が役者としての父・柄本明に「変な人」、ゴドーの公演裏話も

ナタリー

19/4/20(土) 23:07

ドキュメンタリー「柄本家のゴドー」の初日舞台挨拶が本日4月20日、東京・ユーロスペースで行われ、出演した柄本佑と柄本時生、撮影・演出を担当した山崎裕が登壇した。

ET×2という演劇ユニットを組んでいる佑と時生の兄弟。本作では、彼らが2017年に父・柄本明を演出に迎え上演した不条理劇「ゴドーを待ちながら」の稽古場に密着した様子が記録されている。

「ET×2は一生続けていきたくて、その中でいつか『ゴドー』をやりたい気持ちはあった」と話す佑。2014年の第4回公演で初めて同戯曲を題材に選んだ理由を尋ねられると「いつも二人芝居の戯曲を探すんですけど、年相応の戯曲ってなかなかないんですよ。でも舞台だと(年齢にとらわれず表現)できるということで。一発若いときに『ゴドー』かましとくか、みたいな感じで」と振り返る。

その後2017年の第7回公演で再演する際、父親が演出することに。その経緯について、時生は「いつかやってもらわないと、という感覚はありました。あの人に演出してもらって、どうなるか確かめたい部分もあって。あるとき親父が『(ゴドーの)2回目はいつなんだ? 演出は? 美術は? まあ次(演出)やるのは俺だよな』と言ってきて。……やりたいんだなと(笑)」と、父の並々ならぬ熱意があったことを打ち明けた。

山崎は、柄本明が息子たちの二人芝居の演出を担当すると聞きつけて「これはのぞきに行かないとと思って、どうせ行くのならカメラを回そう」と思いついたことを回想。撮影の相談を受け、佑が念のため確認すると、柄本明は二つ返事で承諾したという。佑が「親父喜ばせちゃったよ、みたいな(笑)。でも親父としては3人の親子対決をというより、俺の稽古場!っていうのを残せるのがうれしかったんだろうな」と考えを巡らせると、時生も間髪入れずに「わかる!」と同意。そうして完成したドキュメンタリーについて、佑は「カメラががっつり親父のほうに向いてますから。面白かったんでしょう、俺らなんかより。あの顔の先にある怒鳴り散らしを何回も見たことありますけど、それを映像で初めて観たので新鮮でした」と述べ、山崎は「柄本明百面相という感じで撮影していました」と笑った。

“役者・柄本明”の話題を山崎から振られると、長い沈黙の末、佑が「しゃべりづれえ!」と本音を漏らす。すると時生がハッと思い出して「何かのドラマで、親父がナイフで刺されるシーンがあって。もうすぐ死ぬっていうときに、二重まぶたをわざわざ一重にしていたんです。ああ、変な人だなって。相手役も困りますよね」と話し、2人して「何がしたいんだろうねえ!」と口をそろえて大笑い。時生は「でも真面目なことを言えば、そういうことを本気でやった人ってなかなかいないんじゃないかなと思いますよ」と続けた。

トークの終盤では、「ゴドー」の公演楽日のエピソードも。佑は「舞台から親父の姿が見えて緊張してしまって。舞台の出入り口で缶ビール飲んでるんですよ。行きたくねえなあって思いながらも、袖に捌けては親父にいろいろ言われて、また舞台上に戻って。また捌けたときにいろいろ言われて。セコンドとボクサーみたいでしたよ」と緊張感あふれる父の演出をユーモラスに表現し、再び時生と爆笑した。