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原田知世×田中圭『あなたの番です』は深読みを誘うドラマに “交換殺人”最初の犠牲者はあの人

リアルサウンド

19/4/15(月) 12:00

 まるで『世にも奇妙な物語』(フジテレビ系)のストーリーテラーのシーンのような空間に登場した竹中直人が、物語のテーマである“交換殺人”について語るシーンから始まった、日本テレビ系列日曜ドラマ『あなたの番です』。殺人事件の87%が家族や知人など、被害者と加害者の間に何らかの接点があり、警察の捜査はまず交友関係から洗われていく。よって、面識もなく動機もない相手を殺しても捜査の対象から離れる可能性が高く“捕まりづらい”。そうした “机上の空論”を実現すると何が起こるのか? 前クールに同じ枠で放送された『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』につづいて、またしても突飛な語り口で現代社会の“闇”をあぶり出すドラマになるというわけだ。

参考:田中圭と原田知世の夫婦役は?

 物語は15歳差の新婚夫婦・菜奈(原田知世)と翔太(田中圭)が新居のマンションに引っ越してくるところから幕を開ける。引っ越し早々、図々しい管理人・床島(竹中直人)が家に上がり込んできたり、ご近所に挨拶をしに行けばどこか怪しげな住民ばかり。そんな中、菜奈はマンション住民の会合に参加するのだが、その歓談の場は思いもよらぬ方向に話が転じていく。「人間誰しもが、殺したい人間がいる。交換殺人をすれば捕まりづらいのではないだろうか」と。そして、住民会に参加した13人それぞれが「死んでほしい人間」の名前を紙に書き、それを交換し合うゲームが始まるのだ。

 この時点では、それはあくまでも“ゲーム”のままとして存在していたのだが(もともとその歓談の場では「人狼ゲーム」が行われようとしていた)、「毎週、死にます」という本作の触れ込みの通り、第1話のクライマックスでいきなり管理人の床島が何とも無残な形で死を迎える。さらにミステリアスな住人たちの存在であったり、ゴミ捨て場に捨てられたボロボロのぬいぐるみであったりと、伏線になりうる要素も次々と登場していったわけだが、これがホラーなのかミステリーなのか、まだ一括りにするのは難しい。いずれにしても、菜奈と翔太の夫婦がミステリー好きという点は、ひとつの大きなカギになりそうな予感が漂っている。

 最近では民放のプライムタイム枠の連続ドラマは10話で収められることが主流となっているが、本作は日本テレビ系列としては25年ぶりの2クール放送。つまり、少なくとも20話以上のエピソードが展開するということであり、その話数の数だけ誰かが死ぬというショッキングな作りになるということでもある(マンションの住人は30人以上いるわけだし)。今回のエピソードの中で書かれた交換殺人のカードは全部で13枚。ということはもう1ターンあるのか、それとも別のところで死者が出てくるということなのか。どのような構成をもって、“交換殺人”を通して疑心暗鬼に陥る群像劇が描写されていくのかは大いに注目したい。

 ところで、この物語の舞台となるマンションの名前は「キウンクエ(Chiunque)蔵前」というらしい。“Chiunque”とはイタリア語で「誰でも」や「誰か」を意味する。それについては物語の軸である「“誰でも”殺したい相手がいる」ということを示していると考えていいのだろう。しかし一方で、そのマンションがある場所がなぜ蔵前なのかという点については今のところ掴めてはいない。徳川幕府の米蔵があったことから名付けられた台東区の蔵前。今回の劇中で、菜奈がスーパーに向かう途中で東京スカイツリーを見るシーンがあるが、何かこの場所に深い意味があるのだろうか。半年かけて観ていくからには、やたらと細かいところまで深読みしていくのが楽しみ方であろう。 (文=久保田和馬)

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