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東方神起はファンと共に“新たな一歩”を踏み出した パフォーマンスを更新し続ける飽くなき挑戦心

リアルサウンド

19/2/15(金) 7:00

「ここにいるみなさんが、無条件で信じられる仲間です」(ユンホ)

「東方神起の姿で歌でステージで、みなさんを喜ばせたり泣かせたいです」(チャンミン)

 再始動から約1年。東方神起の辞書には“現状維持”の言葉はないようだ。オリジナルアルバム『TOMORROW』を引っさげ、9月からスタートした全国ツアー『東方神起 LIVE TOUR 2018 ~TOMORROW~』は、新たにホーンセクションや女性ダンサーを起用するなど、さらなるパワーアップを目指した仕上がりに。その飽くなき挑戦を可能にしているのは、彼らを温かく見守るファンの存在に他ならない。〈君が見てるから/僕は歌うんだ〉とは、ふたりがラストに歌った「Weep」の歌詞だ。東方神起の新たな一歩を感じることができた、気迫のライブを振り返りたい。(取材日:2018年12月12日/東京ドーム公演)

参考:東方神起、BTS、SHINee、SEVENTEEN、EXO…コンサートで魅せるK-POPグループ

■東方神起は愛を届けるMr.TOMORROWに

 今回のライブで、まず新しさを感じたのがVTRの使い方だ。開演時間と同時にスクリーンに映し出されたVTRでは、“Mr.TOMORROW”と名乗る義賊のストーリーが紡がれる。赤と青、それぞれの部屋で眠りから覚めたふたりの人物。その顔は明かされないが、鍛えられた腹筋、背筋、胸筋から、ユンホとチャンミンであることは明らか。神出鬼没なMr.TOMORROWが次はどこに現れるのか……と、ドキドキしているとメインステージにスポットライトが差し込み、ふたりのシルエットが浮かび上がる。

 聞こえてきたのは〈未知の向こうへ〉と、高らかに歌う「Yippie Ki Yay」だ。ロングの黒いナポレオンジャケットを翻し、階段を降りてくる威風堂々とした佇まい、サビのキレキレのダンスと、メリハリのあるパフォーマンスで観客を魅了していくふたり。黒地に白のサイドラインが入ったボトムスが、細かい足さばきを強調する。いつもながら、つま先まで神経が行き届いた、華やかなステップに惚れ惚れしてしまう。

 お互いの手をガッチリと取り、肩と肩を合わせて気合を確かめるふたり。勢いそのままに2曲目の「Showtime」へ。〈Bounce bounce……〉の歌詞に合わせて、激しく動くセクシーな腰振りに観客も大興奮。そして一気に会場のボルテージを上げたと思いきや、ふたりは再びスクリーンの向こう側へと消えてしまった。その様は、まさにMr.TOMORROWのようだ。

 VTRでは、Mr.TOMORROWが様々な形の愛を届ける。経営難に陥った慈善施設にはお金を、子どもたちにはワクワクするような新しい世界を、想い合う男女には距離を縮めるきっかけを、そしてファンには東方神起のショーを……。マフィアと闘うヒーロー、宅配業者、バーテンダーなど姿を変えて私たちを楽しませてくれるが、やはりふたりには“東方神起”というスーパースターの姿がよく似合う。

■安定のパフォーマンスに見る新たな挑戦

 光のカーテンの向こう側から再びふたりが姿を現すと、重厚なベース音が心地よい「Something」のイントロが耳をくすぐる。そこに、今回から取り入れたホーンセクションが色っぽく鳴り響き、ふたりのダンスを引き立てる。弦を弾くようなコミカルな動きに、ダイナミックで高さのあるジャンプ。涼し気な顔で動いてみせるふたりだが、首筋を伝う光るものが。運動量の多さにハッとさせられる。

 「みなさん、こんばんは、東方神起です」ふたりが笑顔で挨拶すると、チャンミンが「平成最後の東京ライブです、張り切っていきましょう!」と盛り上げ、ユンホが「最後までついてきてね」とチャーミングに言葉を添えた。続く「Get going」はアルバム『TOMORROW』の中でも爽やかさが際立つ1曲。左右に分かれてメインステージの端から端へと移動しながら、ファン一人ひとりに語りかけるように手を振る。

 カメラを指さしてみたり、ヒーローのようなポーズをキメたりと、少年のようにハシャぐユンホ。一方、チャンミンは「I Don’t Know」で、前髪をセクシーにかき上げて、ファンを喜ばせる。そんな余裕のあるステージングも、長年のキャリアから生まれたもの。“これが見たかった”という期待に応える一方で、それを超える新たな魅力を見せつけようという、アグレッシブなナンバーが続く。

 ユンホが赤、チャンミンが青のスーツ姿で登場すると、ファイヤーの特効が吹き出す中で「Jungle」を熱唱。男女のダンサーを従えて踊るふたりの姿は、まさに百獣の王といった迫力だ。野性味あふれる本能的なダンスを前に思わず息を呑む。そして、映像技術を駆使した「Electric Love」ではユンホとチャンミンの分身が登場してダンスセッションを繰り広げる。さらに「呪文-MIROTIC-」では、縦長のスクリーン全身が大きく映し出され、彼らが踊る姿を、余すことなく見たいというファンの期待に応える嬉しい演出だ。

■SNSを駆使したファン参加型のMCも

 ふたりのピュアさを象徴するような真っ白なシャツ姿に着替えると、珠玉のバラードタイムに突入。目を閉じて、お互いの存在を感じながら美しいハーモニーを奏でた「I love you」。ムービングステージの椅子に座ったふたりから、電話がかかってきたかのような近さを感じた「Telephone」。そしてスポットライトのもとしっかりと見つめ合って丁寧に歌い上げる「明日は来るから~TOMORROW Version~」と、会場はすっかり夢見心地に。

 うっとりとした面持ちの客席に向かって「楽しんでますか?」とふたりが呼びかけ、MCがスタート。すると、さっそく「長くはしゃべらないですけど」とチャンミン節が炸裂し、客席の笑いを誘う。「東方神起の新しいアルバム聞いてくれましたか?」の質問に、観客が「イエー!」と答えるも、もっと盛り上がってほしいチャンミンは「ちょっと声が……みんな……聞いてないかも」と、少し拗ねたように返答。するとファンは「アルバムのタイトルはー?」の問いかけに「TOMORROW!」と、さっきより大きな声で答えてチャンミンの嬉しそうな笑顔を引き出す。

 そんな仲睦まじいチャンミンとファンのやりとりを、ニコニコと見守っていたユンホが、「ここにいるみなさんと、素敵な明日に向けて、今を大切に生きていこうという意味です」と、アルバムタイトルに込めれた想いを解説。「今までもそうでしたけど、これからももっとみなさんと幸せな日々を過ごしていきたいと思うので、引き続きよろしくお願いします」と、締めるところはしっかりと締めるチャンミンだった。

 今回のツアーでは「#明日コン」をつけて、全国のファンとSNSで大喜利を実施。その中で、ふたりが選んだ秀逸なネタを紹介していくことに。チャンミンが「明日コンとかけまして、容量不足の端末と解きます」と、選んだお題を読み上げる。ファンも「その心はー?」と合いの手を入れると、「目が(メガ)足りぬ」と満足げに披露するチャンミン。見どころが多すぎて“目が”足りない状態と、データサイズを表す“メガ”をかけたもの。ユンホが選んだネタは「東方神起のライブとかけまして、空気清浄機と解きます」「その心は?」「どちらもファンが歓喜(換気)するでしょう」という素晴らしいもの。会場が沸き立つと「これいいでしょう?」と、今度は無邪気に笑うユンホ。チャンミンも「歓喜! いい言葉ですね。『Bolero』でも〈歓喜の歌を〉っていう歌詞がありますけども。もっと歓喜を届けられるように頑張りましょう!」と気合を入れた。

 大喜利のほかにも、日常の風景の中で、東方神起の“T”を探す「#Tを探せ」のコーナーも。東京スカイツリーと川、新潟空港の滑走路、沖縄・西表島の太陽が反射した海……と、美しい写真を見ながら「新潟の新鮮なお米」(チャンミン)と全国ツアーの思い出を振り返ったり、「沖縄公演がしたい」(ユンホ)と新たな目標を語ったり大いに盛り上がった。凛々しいパフォーマンスと飾らないMCのギャップも、東方神起を愛さずにはいられない大きな理由だ。

■圧巻のソロステージ、そして怒涛のクライマックスへ

 和やかなMCを経て、後半は東方神起の引き出しの多さをさらに披露していく。心がほっこりと温まるカントリーサウンドの「Road」。ドラマチックなメッセージソング「Make A Chance」。そして「リクエストが多かったから」と恋人にプレゼントを用意してきたかのように披露された、ユンホのソロ「Burning Down」は、初めてポールダンスに挑戦するというサプライズ付き。片手で体を支えてみせたり、ポール越しに腰をくねらせたりと、しなやかでセクシーな振り付けに、黄色い歓声が飛ぶ。

 興奮冷めやらぬうちに、今度は客席からアコースティックギターを抱えたチャンミンが登場。そのままセンターステージに上がると「美しい夜ですね」と、はにかむと客席はメロメロに。夕日から、星が瞬きはじめ、夜空が広がる……そんな美しい映像とリンクして、チャンミンの月光のように繊細で透明感のある歌声が会場を包み込んだ。

 ソロ曲を終えると、ステージはカジノのような雰囲気に早変わり。「運命(The Chance Of Love)」「SURISURI[Spellbound]」は、ミュージカルテイストで披露される。ユンホは色っぽい手つきでカードを操り、チャンミンの投げキスが飛び出したりと、まさに“目が足りぬ”状態に。

 ここまでで、17曲。全力で歌い踊ったふたりは、自らの限界を超えるがごとく、真骨頂のダンスナンバーでラストスパートをキメる。新曲「Jealous」はミディアムテンポながら、複雑な動きが絶え間なく続き、ふたりが女性ダンサーを抱き締めるような振り付けも。これは観客のリアルなJealousを呼び起こし、歌の世界観にどっぷりと浸かってもらう狙いだろうか。

 だが、そんなJealousも愛のスパイスと言わんばかりに、ファンを大いに沸かす「Trigger」が待っていた。ムービングステージで会場を移動しながら、銃を構えるように客席を見据えて撃ちまくるふたり。心を撃ち抜かれてしまうファンが続出し、会場は大歓声に包まれる。そして、セカンドステージでは本編ラストとなる「”O” -正・反・合」。ユンホのソロダンス、そして万華鏡のように変化するフォーメーションと、髪を振り乱すほど雄々しい振り。そこに客席からの掛け声が轟けば、いよいよドーム全体が陶酔状態に。これでもかと激しいダンスで畳み掛け、花火の特効で幕を下ろすという劇的なエンディングは、しばし呆然としてしまうほどの迫力だった。

■ファンが見てるから、東方神起は歌い続ける

 「新しいステージを見せたかった」アンコールに応えて登場したふたりは、そう語った。ユンホは「Weep」の好きな歌詞を話題に出し「みなさん(君)が見てるから僕は歌うんだっていうフレーズがあるんですけど、その歌詞の内容みたいに、小さいステージから、日産(スタジアム)もドームもアリーナもできるようになって。これからもここにいるみなさんに苦しみとかいろんなことがあれば、ちょっと足りないかもしれないんですけど、頑張って僕の歌で忘れさせてあげたいし、もし喜びがあれば一緒に分かち合いたいなって思います。これからも一緒に歩いていきましょう」とファンへの感謝を語った。

 そして、チャンミンはすっかり伸びた前髪に思いを馳せて「ある意味で成長、ある意味では老けていくんですが」と笑いを誘いながらも、最後は「時間の流れを考えてみたんですけど。これからも東方神起を応援してくださる方々と、100%同じ時間の流れを感じることはできないかもしれないけれど、たまにでもいいから一緒に、幸せな気持ちを共有していきたいと思いました。みなさんの思い出になれる東方神起のステージを、これからも一生懸命創っていきたいなと思いました」と愛と決意を見せる。

 東方神起は、いつだって最前線に立つソルジャーだ。謙虚さを忘れず、研鑽を積んでいく。彼らが見据えているのは、最新にして最高のステージ。そんな東方神起の挑戦をリアルタイムで見届ける幸せを、これからも噛み締めていきたい。(佐藤結衣)

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