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姫乃たまがメンズ地下アイドルプロデューサーに聞く、運営の裏側と地上までの道のり

リアルサウンド

18/7/1(日) 10:00

 “女の秋葉原”こと新大久保にイケメンカフェ・B-BOXはあります。「音楽のプロフェッショナルに聞く」第10回目は、メンズ地下アイドルの黎明期からB-BOXを拠点にB2takes!などの人気グループを生み出してきたBACSエンターテイメントの星山頼祥さんにお話を伺いました。地下から地上へのBACSエンターテイメント道、地下アイドル運営の裏側に迫ります。(姫乃たま)

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■メンズ地下アイドル黎明期から歩んだ、地上までの道

ーーB2takes!さん、メジャーデビュー決定おめでとうございます! 2012年の結成当時、女性の地下アイドルは流行していましたが、メンズ地下アイドルはまだ黎明期でしたよね。

星山頼祥(以下、星山):オーディション雑誌で「メンズ地下アイドル」を募集しても応募がないんですよね。読モならくると思うんですけど、メンズ地下アイドルはそれまでなかった文化なので。原宿を中心に、イケメンがいると聞いたら熊本県までスカウトしに行ってました。B2takes!を結成した当時は共演できるユニットも少なく、新大久保で借りたライブハウスをイケメンカフェ・B-BOXとして、メンバーも店員をしながらそこでライブをしていました。当初はお客さんも5人くらいしかいなかったです。

ーーうわあ、そこからどうやってメジャーデビューに至ったんですか?

星山:ライバルグループのRush×300を結成してから盛り上がりました。お客さんにコインを一枚渡して、ライブが終わったら投票してもらうシステムにしたんです。どっちかのユニットにコインが1000枚溜まったら牛一頭買って焼肉パーティしようって企画して、実際に一頭は買わなかったんですけど(笑)、松坂牛を20キロくらいバーンと買って、お客さんと優勝したB2takes!でバーベキューしたこともあります。それでどんどん盛り上がっていって、ユニットも今では7組所属してます。

ーー星山さんたちはもともと芸能関係のお仕事をされてたんですか?

星山:僕は福岡のゲーム会社にいたので、芸能界にいたわけではないです。ケータイゲームの移り変わりの速さに着いていけなくて悩んでいたら、いまの代表と出会って。

ーーえっ、じゃあいきなり退社して上京して、どうなるかわからないメンズ地下アイドルのイケメンカフェを運営することに決めたんですか?! なぜ!

星山:なんですかね、子供ができたからかもしれません。

ーーえっ、逆に?!

星山:子供が生まれるってわかった時に、窓際族になって会社に行きたくないって背中を子供に見せたくないなって思ったんです。生き生きと会社に行く姿を見せたいじゃないですか。仕事って辛いものじゃなくて、いまをいかに楽しくするかなんだよって。

ーーえー、いい話……。

星山:信じて付いてきてくれた奥さんが良かったってことです。でも芸能のことはわからないですし、B2takes!も最初はどうやって売っていけばいいのか全然見えなかったです。ただ代表が勘が鋭くアイデアがいろいろと出てくる方なので、それを僕が具現化していくという感じでうまく進めたと思います。今では、メジャーデビューという王道の流れに乗せることができました。

ーー星山さん自身は面白いこと好きというか、先の焼肉パーティのような風変わりな方法で地上への道を探っているところがいいですよね。

星山:今って何が当たるかわからないじゃないですか。だから他人と違うことをやる事は大事ですよね。今はRush×300がすごく良いです。ワクワクさせてくれます。いままでとは違う売れ方をさせたいと思っているので。

ーーえっ、なんですか?

星山:大手企業さんと一緒に初めてのミニアルバムを作って、東名阪の三大都市ツアーと、その最後で来年の1月4日に東京ドームシティホールを借りたんですよ。

ーーうわあ、何人規模でしたっけ。

星山:3000人です。会場費もいままでと桁違いです。今回ようやくメンズ地下アイドルと企業が一緒に組むという僕の目標がひとつ達成されました。

ーー地下アイドルに残るいかがわしいイメージが改善されそうです。こんなにしっかりした地下アイドル事務所ってあるんだなあ。

星山:みんな売れたくてうちに来てくれてるので、スタッフとしてその夢に責任を持っています。Rush×300は休みができたらどこかにビラ配りに行ってて、そのやる気に心打たれますよね。彼らがやる気を見せてくれれば、僕たちもやる気になるんです。

■メンズ地下アイドルの世界を変えるために

ーー女性の地下アイドルはすぐに辞めてしまう人も多いのですが、メンズ地下アイドルはどうですか?

星山:ちょこちょこ辞めていきますけど、女の子と男の子の違いはギャラだと思います。メジャーデビューするよりも地下の方が稼げる、という話も聞くくらいです。うちは何をどうしたらギャラを支払うか明確にしているので、稼ぐ子は生活に全く困らないくらいきちんと稼いでます。

ーー昨年『職業としての地下アイドル』という新書を書くにあたって女性の地下アイドルにアンケートをとったら平均月収が12.7万円だったのですが、出版後、そんなに稼いでないという反響が多くありました。

星山:女性のアイドルは“20歳で終わり”って考える場合が多いじゃないですか。メンズはむしろ20歳くらいからレッスンを始める子も多くて、これも男女の大きな違いだと思います。たとえば女の子が20歳までって決めて、小学生とか中学生で芸能事務所に入って活動すると、お金のことがわからないから、最後まで薄給でも頑張っちゃうと思うんですよ。

ーーたしかに何も知らないまま事務所に所属して痛い目を見た、という話は時々聞きます。あと自分で掲げた目標が達成できなくて潰れてしまう子も多いです。

星山:人間は見えない先の努力はできないです。大きい夢って響きはよいですが、練習できないですよね、遠すぎて(笑)。いまは根性論より目標の設定を明確にすれば、タレントたちはきちんと頑張ってくれます。

ーーメンズ地下アイドルのファンは同世代の若い女性も多いですけど、ファンとのトラブルも気をつけていますか?

星山:ファンレターなどには目を光らせてます。物販もスタッフが近くに付いています。ただ女の子ならではの感情はわからないですが、新しいファンが入り難い雰囲気があったりします。なので初めての方が10回目まで入場出来る無料ライブを開催していて、そこで仲間を作ってもらうようにしています。メンバーにはSNSの運用など最初に指導しています。お酒やタバコも成人していれば構わないんですけど、人に好かれることがアイドルなので。

ーーみなさんの努力が実るといいです。

星山:見てもらう時間=好きになる時間だと思っているので、どうしたらRush×300をちょっとでも見てもらえるか考えていて、最近はクラウドファンディングをやりました。彼らの演技が見られるVRコンテンツや、3分のオリジナルフラッシュアニメを100本作ったり。VRは発表から20分で150万円以上のご支援をいただきました。フラッシュアニメも多くのご支援をいただき約1カ月で700万円集まりました。いまFODプレミアムで公開されています。最後はAmeba FRESH!さんで、フルアニメーションと本人たちの映像をミックスしたPVとレギュラー番組を制作するためのプロジェクトで、1300万円集まりました。Rush×300が約4カ月で2000万円集められるユニットだと企業さんに提示できたんです。

ーーこれはメンバーも後輩のユニットもやる気になりますね。

星山:これでツアーとドームシティ公演がうまくいけば、来年はもうふた回り大きいことができます。そうしたら僕たちBACSの企画に企業さんが乗ってくれるようになるので、後輩のユニットも提案ができるんです。

ーーはー。夢があるなあ。

星山:いま、Rush×300と2年間でCDを100万枚手売りするのを裏目標にしています。いまも手売りで5万枚とか売れるんですよ。

ーー5万枚!

星山:100万枚売ったら、彼らの世界が変わると思うんです。これが成功したら、僕もいつかゲーム会社を作りたいですね!(笑)

ーー星山さんも夢に向かっていて素敵です!

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