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「CIRCULATION KYOTO 劇場編」プレ企画「アーティスト × ドラマトゥルク リレートーク」の出席者。

アーティスト×ドラマトゥルクがトーク、それぞれの独特な関係性が明らかに

ナタリー

18/11/23(金) 10:54

「CIRCULATION KYOTO 劇場編」のプレ企画「アーティスト × ドラマトゥルク リレートーク」が11月21日に京都・ロームシアター京都 パークプラザ3階 共通ロビーで開催された。

ロームシアター京都が2017年度に立ち上げた「地域の課題を考えるプラットフォーム」シリーズの一環として行われる「CIRCULATION KYOTO 劇場編」は、同劇場と京都市文化会館5館による連携事業。5組のアーティストが京都の中心部を囲む山科区、伏見区、西京区、北区、右京区を出発点にしてクリエーションを行い、12月から来年19年3月にかけて連続で作品を発表する。

そのプレ企画となる「アーティスト × ドラマトゥルク リレートーク」には、一部アーティストとドラマトゥルクに加え、司会を務めるロームシアター京都の武田知也氏が参加。トップバッターとして登場したのは、中野成樹+フランケンズ「マザー・マザー・マザー」でドラマトゥルクを務める長島確だ。“パパとその街”と名乗る集団の形成と崩壊を描いた、別役実作の「マザー・マザー・マザー」を上演作品に選んだ理由について、長島は「これは、実は中野がずっと温めていた作品。(会場となる)伏見の街をリサーチして、その結果を作品に盛り込むことも考えましたが、劇中に登場する集団が“よそ者”であることから着想を得て、東京から来た我々が伏見の地にまったく関連性のないものを持ち込んだら面白いんじゃないかと思って選びました」と述べる。さらに稽古の途中経過に触れ、「すっごくいいです。そしてすっごく変(笑)」と率直な手応えを述べる。また中野の作品にドラマトゥルクとして参加する際、どのような役割を担っているかについて、「劇場以外で公演をするときに、その企画にどうアプローチしていくかを一緒に考えるポジションです」と説明し、今回の作品では“伏見不条里マップ”を制作予定であることを明かした。

続いて、「ムーンライト」の構成・演出を手がける村川拓也とドラマトゥルクの林立騎が登場。会場となる京都・京都市西文化会館ウエスティに視察に行った際に、地域のピアノの発表会が開かれていたことから、今回の作品テーマが「ピアノの発表会」に決定したことに言及した村川は「クローズドで開催されている地域のピアノの発表会と、全国の文化会館の現在の使われ方が似ていると思った」と創作のきっかけについて話す。

一方の林は「アーティストとドラマトゥルクは価値観を共有することが大切。それを踏まえて、今回は作品作りに深く関わるのではなく、それ以外の部分で携わるのがベストだと思いました」と続ける。当日パンフレットに村川の紹介文を執筆したり、“地域ドラマトゥルク”の面々と共に、村川にインタビューする予定であると述べ、「(村川が制作する)作品と(林が担当する)紹介文とインタビューの3つが、互いに呼応し合うようなものになれば」と語った。

3番目に紹介されたのは、フェイクシンポジウム「マジカル・ランドスケープ」の構成・演出を手がける遠山昇司と、京都府立図書館の職員であるドラマトゥルクの福島幸宏氏。遠山は本企画のコンセプトについて、「俳優の方に出演してもらってフィクションを作るのではなく、有識者の方に登場してもらい、“フェイクシンポジウム”を開催したいと思いました。山科区、伏見区、西京区、北区、右京区、5つの地域の風景を切り取り、“見えていない風景を想像させること”が狙い」と説明。また福島氏は、本企画で配布される書籍の仕掛けや、シンポジウムの舵取りを担うことを明かした。

きたまりが発表するのは、彼女が暮らす右京区にある愛宕山を題材とした「あたご」。かねてより山岳信仰に興味があったという彼女は、祈りをテーマに、清凉寺(嵯峨釈迦堂)に伝わる嵯峨大念佛狂言の要素を取り入れながら作品制作を行う。木ノ下歌舞伎で彼女と共同制作をしてきた木ノ下裕一は「ドラマトゥルクというか、僕は“理屈担当”でございまして、さまざまなことをリサーチして、“早わかり○○”のような形で演出家にお伝えする係です」と笑顔で語り、滋賀県の六斎念仏を継承すべく活動している武田力は、ドラマトゥルクとしての役割について、「木ノ下さんは理論派、僕は行動派みたいなイメージですね(笑)」とコメント。きたは木ノ下と武田に視線を送りつつ、「お二人がいてくださるので、多少道を外れても大丈夫かな(笑)。地図を持たずにどんどん進んでいこうと思います」と語った。

最後に、無人劇「LOVE SONGS」の構成・演出を担当する相模友士郎と、ドラマトゥルクを務める滋賀県立大学教授の細馬宏通氏が登壇。相模は現在、公演の会場となる山科区で実際に生活しながら、作品の内容を詰めている最中だと言い、これについて細馬は「今は相模さんを山科に放置している状態ですね。相模さんがたくさんお話をしてくださって、それを受けて僕が相槌を打つ。そんな関係です(笑)」と回答し笑いを誘う。また相模は「無人劇ではありますが、人の気配を感じさせるような作品にしたいと思っています」と展望を述べた。

※初出時、本文に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。

ロームシアター京都×京都市文化会館5館連携事業 地域の課題を考えるプラットフォーム「CIRCULATION KYOTO 劇場編」

2018年12月1日(土)~2019年3月24日(日)

中野成樹+フランケンズ「マザー・マザー・マザー」

2018年12月1日(土)・2日(日)
京都府 京都市呉竹文化センター ホール

作:別役実
演出:中野成樹
ドラマトゥルク:長島確
地域ドラマトゥルク:弓井茉那、吉水佑奈
出演:竹田英司、田中佑弥、鈴鹿通儀、福田毅、洪雄大、斎藤淳子、北川麗、佐々木愛 / 新藤みなみ、春山椋、三橋亮太

村川拓也「ムーンライト」

2018年12月15日(土)・16日(日)
京都府 京都市西文化会館ウエスティ ホール

構成・演出:村川拓也
ドラマトゥルク:林立騎
地域ドラマトゥルク:杉本奈月、田中愛美

相模友士郎「LOVE SONGS」

2019年1月12日(土)・13日(日)
京都府 京都市東部文化会館 ホール

構成・演出:相模友士郎
ドラマトゥルク:細馬宏通
地域ドラマトゥルク:上原由佳、藤沢重徳、皆川由起

遠山昇司 フェイクシンポジウム「マジカル・ランドスケープ」

2019年2月2日(土)・3日(日)
京都府 京都市北文化会館 ホール

構成・演出・出演:遠山昇司
ドラマトゥルク・出演:福島幸宏
地域ドラマトゥルク:神田真直、丸木伸洋、室谷智子
出演:惠谷浩子、芹沢高志、影山裕樹、田村尚子、星野裕司、松田法子 ほか

きたまり「あたご」

2019年3月23日(土)・24日(日)
京都府 京都市右京ふれあい文化会館 ホール

振付・演出:きたまり
ドラマトゥルク:木ノ下裕一、武田力
地域ドラマトゥルク:中智紀
出演:斉藤綾子、益田さち、野村香子

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