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いま、最高の一本に出会える

重要文化財 《如意輪観音坐像》 平安時代 醍醐寺蔵

千年以上も守り伝えられた奇跡の寺宝が集結。『京都・醍醐寺』展、開幕

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18/9/20(木) 0:00

サントリー美術館にて9月19日(水)よりスタートした『京都・醍醐寺—真言密教の宇宙—』展。開幕に先がけ、18日(火)にはプレス内覧会・説明会をはじめ、いとうせいこう氏とみうらじゅん氏の仏像大使らによるテープカット、法要などが行われた。

醍醐寺は、京都市街の東南にある笠取山全体に広大な境内を持つ仏教寺院。空海の直系弟子、聖宝(しょうぼう)によって874年に開かれ、真言密教の拠点として発展。長い歴史の中で数多くの貴重な文化財が保存され、大切に守り伝えられてきた。

同展は、そんな醍醐寺が有する約15万点の寺宝の中から選りすぐった約120件を紹介。国宝・重要文化財に指定された仏像や仏画を中心に、普段は公開されない貴重な史料・書跡を通じて、平安時代から近世にいたる醍醐寺の変遷をたどることができる。

展示は時系列の4章で構成され、まずは醍醐寺の創成期を概観する第1章から始まる。会場に足を踏み入れてすぐに目を奪われるのが、重要文化財《如意輪観音坐像》だ。約50センチの小ぶりな像ながら、暗闇の中に幻想的に浮かび上がる優美な姿とやわらかな表情に魅了される。対照的に、2メートル近い姿で圧倒的な存在感を放つのが、国宝《薬師如来坐像》。平安時代に醍醐天皇の発願で造られた醍醐寺薬師堂の本尊で、堂々たる力強さ。サントリー美術館史上最大級の展示品として、2フロアにわたる吹き抜け空間に展示されているので、両脇に従う日光菩薩と月光菩薩とともに注目したい。

国宝 《薬師如来坐像および両脇侍像》 平安時代 醍醐寺蔵

続く第2章では、密教美術を紹介。密教とは、現世での願いを加持祈祷や修法(儀式)で叶えようとする仏教の一派。その願いを叶える存在として、大日如来をはじめ、多くの顔・腕・足を持つ「多面多臂(ひ)」像や、恐ろしい「憤怒相」の像、魔を焼き尽くす火焔など、さまざまな表現が仏像仏画に登場する。同章では、修法そのものについての紹介や、仏像仏画の設計図ともいえる白描図(はくびょうず)も合わせて展示。制作背景を知ることで、濃密な密教世界をより深く味わうことができる。

重要文化財 《不動明王図像》 長賀作 鎌倉時代 醍醐寺蔵

第3章では、醍醐寺と権力との結びつきに注目し、醍醐寺をサポートした後醍醐天皇や足利高氏らと、醍醐寺の歴代座主(ざす)とがやりとりした文書・書跡を紹介。貴重な文書から醍醐寺の繁栄の歴史をひもといていく。

最終章となる第4章は、近世絵画を中心に紹介。応仁の乱で荒廃した醍醐寺を復興整備した豊臣秀吉が催した盛大な宴“醍醐の花見”に関連する作品から、醍醐寺・三宝院壁画の金銀に彩られた襖絵、俵屋宗達による屏風など、醍醐寺の繁栄がうかがえる華やかな作品が並ぶ。

開幕式には、仏像大使のいとうせいこう氏とみうらじゅん氏も参加。お気に入りが《五大明王像・大威徳明王》だと言ういとう氏は、「五大明王は魔を払ってくれますから、一心に見ていれば清らかな気持ちになれますよ」とコメント。みうら氏は、「空海直筆の書をはじめ、密教界の結構なお宝があります。“空海伝”というとニセモノも多いですけど、こちらはホンモノですから!」と太鼓判を押した。

開幕のテープカット。左から、いとうせいこう氏、総本山醍醐寺の座主、仲田順和氏、みうらじゅん氏
重要文化財 《五大明王像》 平安時代 醍醐寺蔵

また、プレス説明会には醍醐寺の公室室長、長瀬福男氏が登壇。「長い歴史の中で戦乱や災害、火災などで何度も失われる危機がありましたが、僧や信徒の方々が何とか守り抜いてきました。日本人が守ってきた大切な文化財だということを感じていただきたい」と語った。

醍醐寺の約1100年におよぶ歴史と、寺宝を守り抜いた人々に思いを馳せながら、貴重な名品の数々をじっくりと堪能してほしい。

【関連リンク】

『京都・醍醐寺—真言密教の宇宙—』

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