Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

ぴあ

いま、最高の一本に出会える

第1回

アンジュルム和田彩花の「アートに夢中!」

[企画展]日本美術院創立120年記念 日本画の挑戦者たちー大観・春草・古径・御舟ー

月2回連載

18/10/15(月)

今回紹介するのは、日本美術院創立120年を記念し、山種美術館で開催中の「[企画展]日本美術院創立120年記念 日本画の挑戦者たちー大観・春草・古径・御舟ー」(11月11日まで)。西洋美術が広く普及しはじめるなかで、画家たちが新時代にふさわしい日本美術、日本画を探求していた明治時代。東京美術学校(現・東京藝術大学)を辞職した岡倉天心が1898(明治31)年に創立した日本美術院。同展は、創立に参加した横山大観、菱田春草をはじめ、同院の歴史を飾る画家たちの名品を紹介するもの。激動の時代のなかで、古典に学びながらもさまざまな新しい表現に挑んだ画家たちの作品から、和田さんが感じたものとは ──。

空間のバランスが素晴らしい
速水御舟の《粧蛾舞戯》

 これまで近代の日本美術を積極的に見ることは少なかったんです。私は西洋画を研究しているからということもあると思うんですが、正直、日本画はまだまだ見方がわからないから、あまり触れてこなかったんです。それに大学の学部時代に実は成績が悪かった分野なので、ちょっと敬遠してしまってるのかも(笑)。でもこの展覧会に出品されているのはもちろん有名な人たちばかりで、名前も知っていましたし、歴史もなんとなくはわかっていました。

 今回の展覧会はタイトルにもあるように、日本画で「挑戦」した人たちに焦点を当てています。どんな風に挑戦したのか、とても興味深く鑑賞しました。
 これまで私は、日本画って輪郭線がはっきりしているなと思うことが多かったんです。特に浮世絵はもともと好きだったのでよく観ていたから、余計にそう思ったのかもしれません。そして西洋画をずっと観てきた私からしたら、輪郭線がはっきり描いてあり、その中を色を塗りつぶしていくような感じで、あ、こういうのが日本なんだって思っていました。
 でもそれだけが日本画ではない。どの時代も新しい日本画へと挑戦していった人たちがいて、輪郭線を取っ払ってしまう試みをした人もいたら、もちろん輪郭線を描いている人もいます。それに西洋画風の絵を日本画で表現した人もいます。特にこの時代で挑戦的なのは朦朧体(註1)。
 朦朧体については、それはまさに西洋で言ったら印象派と同じ動きだなって思ったんです。ぼやっとした印象にはなるけど、空気や光を輪郭線を使わずにぼかして重ね、色彩中心の表現を試みている。これはもちろん西洋画から影響を受けています。でも実際に作品を見て、日本画でも印象派と同じことが行われていたことに驚かされました。

速水御舟 《昆虫二題》のうち「粧蛾舞戯」 1926(大正15)年 山種美術館

 今回の展覧会でまず私が引き付けられたのが、速水御舟(註2)の《昆虫二題》のうち「粧蛾舞戯(しょうがぶぎ)」という作品です。
 この作品を観た時、実は立ち眩みがしたんです。体調を崩していたからかと思ったんですが(笑)、そうではなくて、絵の持つ力に引き込まれてしまったんですね。私はけっこう簡単に絵に引き込まれるタイプなんですが、これはガラスのケースにぶつかりそうになるほどでした(笑)。体がこんなに大きく動かされたというのは初めて。それぐらい引き込む力がすごかったんです。
 細部を見てみると、描かれた蛾には動きが感じられません。羽を広げた姿でしかなく、どことなく貼り付けられたようにも、ただ並べられたようにも見えます。または、大きな背の高い塔とかの内側を、蛾が何かの力によって上昇しているような、吸い込まれているようにも見えます。でももしかしたら下に落ちていってるのかもしれない。どこかミステリアス。

Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play