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EXILE ATSUSHIや久保田利伸らも賞賛 米倉利紀、日本のR&Bシーンを切り開いた心に響く歌声

リアルサウンド

19/1/23(水) 12:00

 オートチューンによりどんな声も生みだせる時代だからこそ、R&Bのボーカリストとしての肉声の可能性のすべてがここにはある。そう言い切ってしまいたいほど豊かなボーカルスタイルを聴かせるのが、米倉利紀のニューアルバム『analog』だ。あまりにも多彩な肉声による表現を聴き終えた後には、昂揚感すら残る。

米倉利紀「analog」ダイジェスト試聴

 たとえば「幻」や「ぬくもり、やさしさ」では自身でコーラスを重ねたボーカルワークを聴くことができるし、「幻」や「ボクノキミ、キミノボク」では歌詞を絶妙の譜割りで歌ってタメを生みだす技術も堪能できる。「そっと、ずっと」や「大切な日々」で聴くことができるのは繊細な歌い回し。「ココロ」では高音の魅力を味わうことができるし、一方で「NOTHING LEFT」や「GOODBYE, MY LOVE」では低音を歌う瞬間にも心地良いスリルがある。

 ミディアムナンバーだけではなく、ディスコナンバーの「SOCIAL NETWORK SERVICE」や、ソウルナンバーの「キーホルダー」や「SHINE and BRIGHT」も。「君は僕の大切」は軽やかにしてグルーヴィーで、米倉利紀のボーカルのしなやかさが最大限に発揮されている。

 米倉利紀は『analog』のリリースに寄せて「時代がデジタル化されればされるほど、人間の心はどんどんアナログ化していくような気がした」と語っている。そんな感覚を肉声で表現した『analog』は、究極のアナログ作品だとも言える。最小限の音しかないサウンドも、そんな歌声を引き立てている。

 米倉利紀は1992年にシングル『未完のアンドロイド』でデビューしたR&Bシンガーだ。J-POPシーンの中でも早い段階からR&Bシンガーとして登場し、1998年にはアルバム『i』、1999年にはアルバム『flava』がヒット。大きな注目を集める存在となる。当初は他の作家からの楽曲を歌うことが多かった米倉利紀だが、次第に自作曲を増やしていく。1996年のシングル「愛してる 愛してない」は、KinKi Kidsや渋谷すばる、KAT-TUNにもカバーされ、ダンスナンバーとしてクラシック化している。

 そして、米倉利紀の大きな影響とリスペクトを公言しているのがEXILE ATSUSHIだ。彼はオーディションで1997年のシングル「Yes, I do.」を歌ったこともあれば、テレビで歌ったこともある。米倉利紀のデビュー25周年にあたっては、「自分のアーティスト人生において大きく影響を与えてくださったと思っています。今後も素敵な歌を多くの方に届けていただき自分と同じように多くのシンガーに影響を与えていただきたいと思います」というコメントを寄せているほどだ。

 米倉利紀の存在は、1990年代以降のJ-POPシーンにおいて、ブラックミュージックをいかに咀嚼して表現するかについていち早い回答を示していたとも言えるだろう。25周年サイト(米倉利紀 25周年コメント)には、EXILE HIRO、EXILE SHOKICHI、久保田利伸、川畑要(CHEMISTRY)、鈴木雅之、中西圭三、林田健司といったJ-POPシーンにブラックミュージックを取りこんできた人々もコメントを寄せている。

 2008年からは役者としても活動を始め、舞台、ミュージカル、朗読劇、そしてドラマにも出演してきた。その一方で歌手としても着実な歌手活動を続け、2018年に『第69回NHK紅白歌合戦』に出演したMISIAとは、同年の『20th Anniversary MISIA 星空のライヴX オールナイトニッポンスペシャル』で共演。米倉利紀が作詞作曲した新曲「恋人失格」をデュエットで披露した。「恋人失格」は、MISIAのアルバム『Life is going on and on』に収録されている。

 振り返ると、ブラックミュージックに根ざした米倉利紀の音楽性は、1990年代以降のJ-POPシーンに大きな足跡を残してきた。そして、それに見合うだけの評価を得ているとはまだまだ思えない。米倉利紀の『analog』は、彼の実力により目を向けるきっかけになるべき作品だろう。デビュー以来27年にして、『analog』は実に23枚目のオリジナルアルバム。まだ米倉利紀をアルバムで体験したことがないという人にこそ勧めたい作品だ。これほど艶やかな肉声を堪能できるアルバムはそうそうないのだから。

■宗像明将
1972年生まれ。「MUSIC MAGAZINE」「レコード・コレクターズ」などで、はっぴいえんど以降の日本のロックやポップス、ビーチ・ボーイズの流れをくむ欧米のロックやポップス、ワールドミュージックや民俗音楽について執筆する音楽評論家。近年は時流に押され、趣味の範囲にしておきたかったアイドルに関しての原稿執筆も多い。Twitter

■リリース情報
『analog』
2019年1月23日(水)リリース
¥3,000(+税)

<収録曲>
01. NOTHING LEFT
02. 幻
03. SOCIAL NETWORK SERVICE
04. そっと、ずっと
05. ココロ
06. キーホルダー
07. 君は僕の大切
08. ボクノキミ、キミノボク
09. GOODBYE, MY LOVE
10. ぬくもり、やさしさ
11. SHINE and BRIGHT
12. 大切な日々

■ライブ情報
『toshinori YONEKURA concert tour 2019 gotta crush on….. volume. twenty “analog”』
3月16日(土)新宿ReNY
3月17日(日)新宿ReNY
3月23日(土)沖縄 output -OKINAWA SPECIAL
3月23日(土)沖縄 沖縄 output -plus AFTER PARTY
3月30日(土)横浜BAY HALL
3月31日(日)横浜BAY HALL
4月5日(金)神戸チキンジョージ
4月13日(土)鹿児島CAPARVO HALL
4月14日(日)熊本B.9 V1
4月20日(土)仙台darwin
4月21日(日)青森Quarter
4月24日(水)東京 Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASURE
4月25日(木)東京 Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASURE
5月11日(土)広島SECOND CRUTCH
5月19日(日)渋谷WWW
5月26日(日)名古屋ElectrcLadyLand
6月1日(土)京都MUSE
6月8日(土)郡山club#9
6月15日(土)岡山CRAZYMAMA KINGDOM
6月22日(土)新潟LOTS
6月29日(土)金沢エイトホール
7月14日(日)Zepp 札幌
7月20日(土)Zepp なんば大阪
7月21日(日)Zepp福岡
7月25日(木)Zepp 東京
米倉利紀 公式サイト

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