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フレデリックの国の音楽に酔いしれるーーダブル記念日の忘れられない夜となったライブを見て

リアルサウンド

19/2/24(日) 10:00

 2ndアルバム『フレデリズム2』をリリースしたフレデリックが、全国ツアー『FREDERHYTHM TOUR 2019~飄々とイマジネーション~』の一環として、2月20日と21日に東京・Zepp Tokyoでライブを開催。2DAYS公演は共にソールドアウトを果たした。1日目である2月20日は、アルバム発売日であると同時に、メンバーの双子の兄・三原健司(Vo/Gt)と弟・康司(Ba/Cho)の誕生日。ダブル記念日の忘れられない夜となった。

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■みんなのそういうところがキライになれない(つまり大好き)!
 「フレデリックの国を作ってやろうと思ってやってきた。いろんな1位の人がいるけど、それとは違うところで別の国を作って、コソコソやっているうち“面白いやん”って思ってくれる人が増えていけばうれしいなと思う。一つひとつが今のフレデリックにとって大事で、新しいこともやりながら、昔のことも忘れずどんどん進化していく、それが俺たちの国。そういう音楽を目指して作りました」と、アルバム『フレデリズム2』について説明した健司。ライブは、そんなアルバムの収録曲を中心に構成されていた。

 ファンキーなギターカッティングで始まる「シンセンス」は、ファルセットのサビメロが高揚感をさらに引き上げてくれる。ラップ調のDメロも、いい味付けになっていた。間髪入れずなだれ込んだ「かなしいうれしい」では、歌詞に合わせて真っ赤なライトがステージを包みこむ。続く「TOGENKYO」は、どこか大陸的な雰囲気を感じさせるイントロのギターが印象的だ。立錐の余地もないほどの会場で観客たちは、この日をずっと待ちわびていたといった雰囲気で、1曲目から手を挙げ、身体を揺らしながらクラップ。日頃の嫌なこともかなしいこともすべて忘れ、まるでフレデリックの国の音楽に酔いしれて、踊りに明け暮れるようにライブを楽しんでいた。

 中盤のMCで、当日が三原兄弟の誕生日であったことに話がおよぶと、会場にバースデーソングの合唱が響き渡る。「ありがとう。三原兄弟は29歳になりました。会場入りしたときもスタッフさんから祝っていただいて、みんなに愛されてここまでやってこられたと実感します」と、感謝の気持ちを表した健司。康司もまた、サプライズでバースデーソングを歌ってくれたファンに「誕生日になると、俺は何のために生まれたのか考えるんですけど、まさしくこういう日のために生まれたんだと思います。むしろ、みんなが生まれてくれてありがとうと言いたいです」と、うれしそうな表情で伝えた。

 そんな三原兄弟のバースデーに際して、普段なら言わないであろう熱い思いをぶつけた高橋武(Dr)。「ふたりが29歳になって最初のライブだから、最高のものにしたい。普段からふたりがいい曲を書いてくれたり、いい歌を歌ってくれたりするおかげで、俺のドラムがあると思っている。本当にありがとう」。それを聞いた健司は「本当にメンバーに恵まれている。後半戦もみんなが楽しんでくれたら、俺ももっとうれしいし、もっと頑張る、そういう相乗効果がフレデリズムを作っていくんだと思う」と、実に照れくさそうな表情で応えていた。

 盛り上がりの最高潮を極めた「オドループ」。健司が「まだまだ遊べますよね? 踊ってない夜は気に入らないですか?」と、歌詞になぞらえて観客をはやし立てると、会場は一体となってクラップとサビの大合唱でそれに応える。その様子に「最高やないか。いいこと言うから、我慢しとったのに……」と涙を隠すように後ろを向いた健司。「みんなのそういうところがキライです。でも、キライになれないです」。本編最後に披露した「スキライズム」は、トリッキーなイントロのフレーズが印象的。ユーモアのあるダンスロックに、観客は一緒に歌を口ずさみながら手を前後に揺らして踊り続けた。

 アンコールでは「逃避行」と「飄々とエモーション」を繰り出す。「いろんなジャンルがあるなかでフレデリックを選んで、歌って踊ってくれてうれしい。みんなの想像を超えていこうと思っていたツアーだったけど、みんなからもらうばかりの最高のツアーを回っています。これからも飄々とかっこよくやっていく俺たちを見ていてください」と健司。「ダダッダッダダッ」とキメで始まるイントロ。ファルセトを交えたセクシーなボーカルが、実にソウルフルな「飄々とエモーション」。「ウォーウォーウォーウォー」という観客の大合唱が会場に広がると、それに健司がロングトーンで返す。コール&レスポンスもこの日ばかりは、「おめでとう」と「ありがとう」の応酬といった雰囲気だ。温かいファンと仲間との絆、そして感謝の気持ちの大きさを象徴するかのように、よりいっそう気持ちの高まったロングトーンが、いつも以上の長さとエモーショナルさで会場に響き渡った。(取材・文=榑林史章)

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