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いま、最高の一本に出会える

アート×音楽を融合したユニット・WHITEHEADインタビュー「おもしろいから続けられている」

ぴあ

18/12/24(月) 18:00

アートと音楽を融合した、全く新しいユニット・WHITEHEADは、2015年5月5日に解散したZOROのvocal[龍寺(art/vo.)]と、ギルガメッシュ(2016年7月解散)のマニピュレーター、REDMAN、My Hearts Breaking EvenのDrums[大熊(sound/prg./dr.)]による二人組エレクトロ 音楽ユニットだ。 『音楽もアートも全ての芸術は、繋がっている。』をコンセプトに、2016年10月8日に初の個展となる ART Exhibition『masturbation』で活動開始。 

1st limited album『masturbation』は即日完売。全く新しい音楽ユニットとして、挑戦を続けている。今日はそんなふたりの音楽活動について、お互いの関係性について、掘り下げて語ってもらった。

お互いに運命を感じた

――ぴあアプリに初登場ということで、まずはユニットの紹介をお願いしたいのですが、それぞれ別のバンドをされていたおふたりがWHITEHEADを始めたきっかけは?

龍寺さん(以下・龍寺):一番最初のきっかけとしては、僕は元々絵を描く事がすきで自分が描いた絵を見ていると、音楽が重なる瞬間というのが多々あったんです。絵に勝手にBGMをつけちゃう現象というとわかりやすいかな。それを自分の絵と自分のオリジナル楽曲を作ってワンセットにした企画ができたらいいなっていう思いから始まりました。そして、もともとは一方的でしたが東京きて初めて組んだバンドで対バンしてた時代大熊さんの事を格好良いドラマーだなって思ってました

大熊さん(以下・大熊):すごい前だね。

龍寺:13~4年前くらい前かな?(笑)長い月日を経て僕からアプローチをかけたっていう感じですね。

――そうなんですね。

龍寺:そして色々話をしていく中で大熊さんと僕の共通点が分かったりして。

大熊:ね、いろいろ奇遇だったね。

――その共通点とは?

龍寺:僕の兄は画家なんですけど、大熊さんのお父さんも同じく画家だったんです。

――それは本当に奇遇ですね。

龍寺:二人ともアートが側にある家庭だったんだと。

大熊:かつ、我々は二人とも音楽をやっているという。

龍寺:そういうところで運命を感じましたね。

――すごいですね。

龍寺:アートと音楽をくっつけるとなると簡単そうで難しいし本格的にするとなると中々勇気がいる事だなとおもいながら、大熊さんに提案したら直ぐ「いいよ!やろう」って言ってくれて。

大熊:返事は10秒ぐらいだったよね?(笑)

龍寺:ちょっとは悩んでもいいのにと思いつつも直ぐ返事くれたんで、じゃあお願いします!って感じでした(笑)

――それはやはりお互いに感性が合うなってすぐ分かったという感じなんでしょうか?

大熊:うん、そういうのもなくはないよね。

龍寺:なくはないですね。

――実際、アートと楽曲を制作する際はどのようにされているんですか?

龍寺:役割分担ははっきりさせて、音楽に関しては、良い意味で大熊さんに丸投げをしています。逆にアートやその他の部分は全部僕が担当しています。

大熊:発信源は龍寺君だよね。

――音楽に関するイメージは大熊さんにお任せをしているということなんですね。

龍寺:ある程度は伝えますけど、大熊さんが読み込んでくれたものから出るものが軸であり答えでいいのかなって思っています。

――曲を聴かせていただいて、少し意外だなと感じました。以前のおふたりのバンドの音楽のことが記憶にあるので、こういう方向性なんだなと。

龍寺:そうですね。だからこそ僕自身も面白くて続けられているっていうのがあります。自分が音楽理論とかに詳しくなくて感覚で生きてきた人間なので、音楽の知識を知っている人とやれている安心感っていうのもあります。

大熊:俺の場合は曲は作れてしまうんですよ。だから音楽に関して分からないことがなくて、それが故に作ることしかできないんです。だから作る理由を見つけることがすごく難しくて。作家をやっていたときはコンペに対して求められている曲を作るだけで。3日もあれば曲は作れてしまうんですね。

――そういうものなんですね。

大熊:でも、好きなものを作ってくださいって言われたときに、本当に作れないんです。でも彼は、この絵を描きたい!とか、やる理由を見つけ出してくれるというか。俺が絶対にできないことをやってくれているんです。

――なるほど。

大熊:彼から、「朝4時の山で百合が咲いているっていう絵を描きたい」って言われても、俺にはそれが超不思議で。なんで描きたいの?って聞いても、特に理由がなくて、「描きたいから」って。

龍寺:あはは(笑)それで描いちゃったしね。

大熊:それを受けて、それを音にしたらどうなるんだろうって考える時間はすごく贅沢です。曲は作れるけど、自分だけじゃ作る意味を見出せないから、彼の存在は俺にとって必要だなって思います。

▼こちらがその百合の絵

――イメージを具現化するということなんでしょうか。

大熊:曲は誰でも作れるんですよ、時間をかければ。でも、そのきっかけを作ってくれる人、ゼロをイチにしてくれる人だと思っています。

――そのイメージというのはどのように沸いてくるんですか?

龍寺:分からないです(笑)

大熊:描きたい!ってなるんだよね。

龍寺:本当に恥ずかしい話ですが知識より感覚で生きてきた人間だから分からないんですよね(笑)

大熊:知識はない方がいいと思うけどね。

――絵画を観に行かれたりとかはされているんですか?

龍寺:最近、美術館に観に行くようになりましたね。アート好きな友人達が周りにいるんで。でもスケールがでかすぎて、そこから影響を受けるというわけではないんですけど、好きなものが増えるキッカケにはなるので、観に行くっていうのは大切だなって思いました。あとは何より原画を自分の目で見る大切さを感じました。

――外からインスパイアされるというよりは、ご自身の中から浮かんでくる?

龍寺:例えば、すごく良いものを見るとマネしたいって思うんです。でも自分が描くと全くの別物になるんですよ、当たり前ですけど。でも僕はそれでいいと思っていて。そこにリスペクトがちゃんと存在した上で自分のフィルターを通してオリジナルになっているというか。って勝手に自分で思っているんですけど(笑)

大熊:でもみんなそうだよ。全くオリジナルの楽曲なんてものもないもん。みんなギター弾いてドラム叩くし。

――確かに何かを作るときって、土台になるものがありますよね。そして本日絵を持ってきていただいていておりますが、これはどのように生まれた作品ですか?

龍寺:一瞬の一目惚れの絵を描きたいと思って描いたものです。電車の中から外を見ている景色なんです。電車の中から、混雑しているホームを見ていて、ふと素敵な人を見かけて、キュンとするときってあるじゃないですか。

――ありますね。

龍寺:その一瞬だけキュンとした気持ちを運命の赤い糸に結びつけて、本来なら一目惚れしたときってその人にしか目がいかないと思うので、周りを冷たい空気感にしたくてブルーにして。でもそれが本当に一目惚れなのかどうか分からないから、運命の赤い糸は途中までしか染まっていないんですよ。だからもう一回同じ人を見つけることができたら、この色が全部染まるという。

――なるほど。

龍寺:このフレームをつけているのもボヤっとさせたくなかったので、引き締めるために分かりやすくしています。

――すごく綺麗な色ですね。こちらの絵にも曲があるんですもんね。

龍寺:あります。

――それはどういう感じなんでしょうか。

龍寺:「目眩しなWednesday」っていう曲なんですけど、曲を聴いて、絵をすり合わせていった感じです。

龍寺:もともと10本の映画をコンセプトにして曲を作ろうってなって。「SCREEN Ⅰ」「SCREEN Ⅱ」って分けて。その映画に対して、僕達ならこういうBGMをつけるっていう。この絵のコンセプトは水曜日、幻、糸、急にくる不安定です。

大熊:憂鬱とかね。

――単語をたくさん出されて、そこからイメージをつけていくという。

龍寺:そうですね。そこから絵も曲も足していきましたね。

大熊:今見返すとハードな単語だね(笑)

――新しい音楽の作り方ですよね。

龍寺:たしかにそうかも(笑)

――イメージは毎回毎回浮かんでくるものなんですか?

龍寺:イメージは浮かびますね。やりたいことがいっぱいあるので。

――WHITEHEADのコンセプトがアートと音楽の融合ということですが、他の言葉で表現するとしたら何になりますか?

大熊:個人的には、とにかくかぶりたくないというか。良いものだとしてもかぶるくらいなら出さなくていいから違うものにしたいって思っちゃう。

龍寺:僕も同じですね。自分が求めるものというか、個性的でいたいっていうのはありますね。センスを感じないなら形にしたくないというか。難しいことをしたいわけではないけど、クールでいたいというか。

大熊:超良い音をってわけでもないしね。

龍寺:時代に沿って活動していきたいです。

――バンドをやられていたときから時代って変わったなって感じますか?

龍寺:感じますね。

――今の時代に合うものということで、WHITEHEADを?

大熊:合うというか、自然と求められていることをやりたいというか。なんでみんなこっちの方がいいのにやらないんだろうっていうか。ぴあさんだって雑誌出すよりもネットであげた方がコスパいいじゃないですか。

龍寺:そういう感覚ですね。

大熊:そうした方が便利だし、我々もギターだけ弾く人はいらないからギター入れないし。良い音をそのまま箱に出せるシステムはもうあるから、それを使えば2人で十分じゃない?って。彼は絵描けるし、俺は音楽作れるしって。まぁある意味何も考えていないってことなのかもしれないですけど…(笑)

龍寺:あはは(笑)2人とも不要な装飾が苦手なだけですよ(笑)必要なものは必要な時に装備するみたいな。

――ライブも精力的に活動されていますが、ライブはどんな感じなのでしょうか?

大熊:バンド潰しみたいな…(笑)

龍寺:そういうポジションでありたいですね(笑)

――バンド潰し(笑)

龍寺:わざとバンドしかいないところに出ているんです。メリットもデメリットもあるんですけど。

大熊:出したい音をライブハウスで一番効率良く出せるシステムを組んでやっています。倍音っていう音程以外の音が含まれていて、俺の声自体もここから出て、向こうの壁にぶつかって耳に届いているっていう信号があるんですよ。ほとんどが無駄な音で。それの究極がドラムだったり、ドラムってリズム楽器って思われてるんですけど、音のほとんどの成分が無駄な音でできてて。

――そうなんですか。

大熊:PAさんが一生懸命無駄な音を削って、マイクで拾ってキックの音を作っているんですよ。ギターもそうで。ほとんど使われていないというか、おいしいところだけPAさんが調理していて。素材なんですよね、みんな。それをPAさんがどのマイク使うとか、まとめてくれて、初めて楽曲として成り立っている。その調理法を俺たちは自分側でやって、音を出すのではなくてデータで出しているというのをやっています。良くないところもいっぱいあるし、今のところ他にやっている人たちがいないから、いいかなって(笑)

――その音にのせて歌うというのはいかがですか?

龍寺:このシステムと相性が良いんで問題ないですね。ライブハウスだけど曲が綺麗に伝えられるんです。ごちゃごちゃしないというかブレがなくて。

――楽曲聞かせていただきましたけど、すごく心地良いなという印象でした。感覚的に耳に入ってきやすいというか。

大熊:どの曲がいいなって思いましたか?(笑)実は、一曲だけ日本のJ-POPにはないチューニングで出している曲があって、それだったら嬉しいなって(笑)チューニングが432Hzなので…。

龍寺:むずかしい(笑)

大熊:十二等分平均律という、一般的なバッハとかが使っているチューニングじゃなくて、同じドレミファソラシドじゃないんです。

龍寺:僕が大熊さんのことを好きな理由がこういうところでもあります。あんまり言ってくれないんですけど、絶対的なこだわりを、出さないところで持っていて。そういうところが好きです。

――技術者っていう感じがしますね。

大熊:そうなんです。だからゼロをイチにする人がいないと使い物にならないんです。言うことも聞かないし(笑)

 

もっともっと、センスを良くしていきたい

――初めてWHITEHEADを知った人にすすめたい、ぜひ聴いてほしい曲を1曲紹介してください!

大熊:うーん、ないな。

龍寺:ない?(笑)

大熊:それ選ぶのがリスナーの仕事だろって思っちゃう。

龍寺:2パターンありますね!(笑)入り口が広い曲か世界観重視のどちらか(笑)

――確かに1曲に限定してしまうとイメージがついてしまうというのはありますよね。

龍寺:入り口が広い曲は「caffeine」っていう曲で、世界観重視な曲は「Mist」。この「Mist」っていう曲が、僕が絵を描いてから絵の説明をして作ってくれたやつで。最初に言った午前4時の~ってやつで僕が感覚的に描いた絵の曲なんです。

大熊:わざわざ午前4時にレコーディングをしたっていう(笑)

龍寺:この曲を聴いたときの衝撃が凄すぎて。本当に自分の絵の世界の通りの曲だったんですよ。絵と音が重なった時の衝撃が強くて。

――思っていたとおりのイメージそのままだった?

龍寺:そうです。全くぶれなかったですね。完璧でした。

大熊:あれはよかったね。

龍寺:本当にすごかった。だから一番世界観が濃いかも。

大熊:そういう曲は一人じゃ作れないからね。

――そういうことって音楽活動をされていてもあまりなさそうですよね。

龍寺:僕はなかったですね。だからその感覚が忘れられないです。

――最初に一緒にやりたいなって感じた龍寺さんの感覚が正しかったということですね。

龍寺:そうですね。正しかったです。

――お話を伺っていてお互いがすごくお互いを尊敬しているのが伝わってきました。ここでさらにおふたりのパーソナリティーについても掘り下げたいのですが、お互いの好きなところ、直してほしいところはありますか?

大熊:お、取材っぽい(笑)

――では好きなところから(笑)

龍寺:大熊さんには凄く柔軟性を感じますね。あとは…オシャレ!昔から思っています。

――たしかに、今日おオシャレですね!

龍寺:技術の面でも本当にリスペクトしていますし。

――大熊さんはいかがですか?

大熊:彼には変わらないでいてほしいですね。直観的で感覚的なんですけど、わりと人に影響されやすくて。

龍寺:そうかもしれない(笑)

大熊:だからもっと自信を持っていいのにって思う。

――人から言われたことを気にしたり?

龍寺:ガラスのハートなんで(笑)

大熊:故に敏感なんだと思う。

――でもアーティストさんはその方が良い作品を作れたりするような気もしますが。

大熊:だから変な占い師にハマったりしたらやばそう。

――(笑)

龍寺:僕はハマったらやばいですね(笑)

大熊:まぁでもそれはそれでハマったらそれが作品に出たらいいなとは思うけど。

龍寺:僕そのせいで部屋の中が全部緑になったことあります。

――えっ、それはどうして?

龍寺:大事な打ち合わせがある前日に占いに行ったら、とにかく部屋を緑にしなさいって言われて(笑)すぐその日に緑の物を買って部屋を緑にしました(笑)

――それはすごいですね(笑)その結果、良いことはありましたか?

龍寺:翌日の打ち合わせは上手くいきましたよ!それからしばらく緑のままにしていました(笑)人にも勧めましたし。

――緑頼み(笑)

大熊:それも含めて変わらないでいてほしいですね(笑)

 

――ではあまり直してほしいところはないですか?

大熊:そうですね。変わらないでいてくれれば。

――なんかご家族のような感じですね。

龍寺:僕が直してほしいのはライブ中に自分の水を用意せず、僕の水を飲むのをやめてほしい!気づいたら無くなってるし、水のみたいのに飲めない状況の辛さといったら…。

――それはひどい(笑)

大熊:俺はそれを見て、俺が飲んでやったよって楽しんでます(笑)

龍寺:それがすごくイヤ(笑)

――ドSなんですか?

龍寺:たぶん感覚がおズレになっているんですよ(笑)自分の水を持ってくればいいのに(笑)

――おもしろいコンビですね(笑)最後に今後の活動、目標についてもお伺いできますか?

龍寺:目標としては、もっともっとセンスを磨きたい。あと海外に向けても発信していきたい。

大熊:そうだね。

――なぜ海外?

龍寺:とにかくWHITEHEADというartistを見つけてもらう為ですね!あと来年は、とにかく作品を沢山作ろうと思います。

大熊:スピード欲しいよね。

龍寺:いちいち構えたくなくて、リリースしますとかではなく。新しいものができたら、アート、音楽そして今度は映像も入れたいから、その3つのセットでテンポよく作品数を増やして発信していきたいです。

   

◆アルバム配信中
SCREEN  

THE FOR EYE’s  

Baby  

※CDは会場限定販売。残りわずか!


◆ライブスケジュール
■2019.01.07@下北沢LIVEHOLIC
■2019.01.10@EDGE Ikebukuro
■2019.01.21@青山RizM

◆official web site  https://whitehead.tokyo/

◆official Twitter https://twitter.com/whitehead_tokyo

◆YouTube channel https://www.youtube.com/c/WHITEHEAD_tokyo

(撮影/高橋那月、取材/藤坂美樹、構成/榎本麻紀恵)

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