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『まんぷく』と『わろてんか』、共通するのは“ダメ夫”? 朝ドラヒロインの夫との向き合い方

リアルサウンド

18/11/28(水) 6:00

 『わろてんか』(NHK総合)では、ヒロイン・てん(葵わかな)の夫・藤吉(松坂桃李)の振る舞いにはしばしば辟易してしまうことがあった。自分の夢のためには周りが一切見えなくなってしまったり、酒を飲みすぎて家族に迷惑をかけたり、息子の世話を人任せにしがちなところがあったり……。藤吉には藤吉なりの良さもあり、頭ごなしに悪く言うことはできないが、しばしば彼の突拍子もない行動には驚かされたものだ。

参考:『まんぷく』第51話では、「ダネイホン組」と「塩作り組」の間で大げんかが発生

 さて、現在放送中の連続テレビ小説『まんぷく』(NHK総合)では、福子(安藤サクラ)と萬平(長谷川博己)の夫婦仲に隙間風が吹き始めた。栄養食品・ダネイホンの研究に没頭するあまり、育児は福子に押し付けがちな萬平。息子の源が風邪を引いても、医者が大丈夫だと言っているのなら何ら問題ないとして、福子の言うことに聞く耳を持とうとしない。

「もういい! 仕事に集中したいんだ! 子育てはお前に任せる」

 異なる点が多い2人であり、単純に藤吉と萬平を並べることはできない。ただ、両作品において、描かれ方は違うものの、周りの人への気配りをなおざりにする夫の姿は共通していると言えるだろう。萬平は栄養不足で苦しむ人々を助けたいという崇高な意志を持っている。だからこそ、福子としても反論がしづらい。世のため、人のために汗を流しているだけに、あからさまに萬平の働きを否定することもできないのだ。実際、福子自身も栄養不足で苦しむ人たちを目の当たりにしたことがある。それに加えて、不満を持っているのは福子だけではない。ダネイホンの研究には加わらず、引き続き塩作りに精を出している従業員たちからも不満がくすぶる。 “塩軍団”のことを忘れているのではないかと思い始めているのだ。

 ところで、『わろてんか』では、てんの藤吉への怒りが沸点に達する場面もあった。その結果、しばらくの間、てんは藤吉と口をきかなくなり、夫婦の関係は冷え込んでしまった。息子の隼也を見失ってしまったり、芸人たちへの給金を勝手に持ち出したりする藤吉を見て、いよいよ我慢ならなくなったのだ。

 『まんぷく』では、ハンコ作りのときも、塩作りのときも福子は上手く萬平と歩調を合わせてきた。それは萬平が信じるに値する人間だとみなせたからに他ならない。その点、今の福子に必要なのは鈴(松坂慶子)的なあり方とも言える。先週の放送で、いろいろな不満が溜まり鈴は家を出ていった。思えば、鈴は当初から萬平に対して言うべきことは常に口に出してきたわけだ。「お母さんの半分くらいは言いたいこと言うた方がええかも」と言ったのは福子の親友・ハナ(呉城久美)であるが、その通りだろう。誰かと歩調を合わせるということは、嫌なことがあっても一方が譲歩し続けることではないはずだ。

 朝ドラヒロインはしばしばパートナーとの向き合い方、歩調の合わせ方に悩まされる。離婚するケースだってあったくらいだ。そこで大切なことは、嫌なことがあっても無理して笑顔を作り続けることではないはず。おかしいなら「おかしい」と、嫌なら「嫌」と伝えること。鈴から学べることは案外多いのかもしれない。笑顔を作りたいときには精一杯笑い、怒りたいときにはとことん怒る。福子の今後の萬平との向き合い方に注目である。(國重駿平)

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