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back number、Suchmos、ユニコーン、SCANDAL、日向坂46……“新章”に突入した新作

リアルサウンド

19/3/26(火) 7:00

 約3年3カ月ぶりとなるニューアルバムをリリースするback numberから、“けやき坂46”からグループ名を変え、デビューシングルを発表する日向坂46など、新章に突入したアーティストの新作を紹介。新たなフェーズに突入した瞬間に生まれる貴重な作品を体感してほしい。

(関連:日向坂46、2部構成で表現した“けやき坂46”への別れと新たな始まり デビューライブを振り返る

 前アルバム『シャンデリア』から初のベスト盤『アンコール』を経て、約3年3カ月ぶりとなるオリジナルアルバム『MAGIC』を届けたback number。映画、ドラマなどの大型タイアップが付いたシングル曲「瞬き」(映画『8年越しの花嫁 奇跡の実話』主題歌)、「大不正解」(映画『銀魂2 掟は破るためにこそある』主題歌)、「オールドファッション」(TBS系金曜ドラマ『大恋愛~僕を忘れる君と』主題歌)、「HAPPY BIRTHDAY」(TBS系火曜ドラマ『初めて恋をした日に読む話』主題歌)のほか、リスナーの心の深部に突き刺せるロックチューン「最深部」、ドラマティックな旋律と切ない恋心を描いた歌詞が交差するバラードナンバー「雨と僕の話」などの新曲を収めた本作は、“ヒット曲を次々と放つポップバンド”としてのイメージ、そして、“生々しい思いを放ちまくるロックバンド”としてのプライドを同時に体現した充実作となった。清水依与吏(Vo/Gt)、小島和也(Ba/Cho)栗原寿(Dr)の3ピースバンドとしての佇まいをしっかりと確立できたことも、本作の大きな収穫だろう。

 デビューから前アルバム『THE KIDS』までは、80年代のAORやブラックコンテンポラリーから90年代のアシッドジャズをベースにしたダンスチューンが中心だったが、「J-WAVE 30th ANNIVERSARY SONG」である「WATER」を含む、すべて新曲による3rdアルバム『THE ANYMAL』では、60年代~70年代あたりのブルースロック、サイケデリックロックを想起させるサウンドへとシフトしたSuchmos。BPMを抑え、ずっしりとした中低音を押し出したグルーヴは、常に変化を続けてきたSuchmosの現在地を明確に提示している。溢れ出すような色気と凄みを感じさせるYONCEのボーカルも超ディープ。9月8日に行われる横浜スタジアム公演への期待がさらに高まる、2019年を代表するロックアルバムである。

 “再始動10周年”、ABEDONが加入し現メンバー体制となった“アルバム『服部』から30周年”、“川西幸一還暦つまり60周年”の数字を足して2019年は100周年という強引なアニバーサリーイヤーを迎えたユニコーンの約2年ぶりのニューアルバム『UC100V』。“働き方快楽 なぜ俺たちは楽しいんだろう”を2019年のスローガンとして掲げているだけあって、アルバムも楽しさ満点。50代の彼らの“未来”を鮮やかに映し出す「ZERO」(作詞・作曲:ABEDON)、ハードロック全開のストロングスタイルが気持ちいい「365歩のマッチョ」(作詞・作曲:手島いさむ)、〈やりたいヤツはやればいい〉と快哉を叫ぶロックンロール「気まぐれトラスティーNo.1」(作詞・作曲:川西幸一)、アーシーなサウンドと穏やかなメロディが溶け合う「GET WIND360°」(作詞・作曲:EBI)、ブルージ―かつサイケデリックなギターとともに、シンプルな言葉で人生の本質を射抜く歌が響く「うなぎ4のやきとり1」(作詞・作曲:奥田民生)など、全員が曲を作り、全員が歌うスタイルをさらに推し進めた、このバンド以外にはありえない充実作だ。

 プライベートレーベル<her>の第一弾リリースは、SCANDAL史上初となる両A面シングル『マスターピース / まばたき』。「マスターピース」(作詞:RINA/作曲:MAMI)は、エッジの効いたギターリフ、生々しい疾走感をたたえたバンドグルーヴが響き渡るロックチューン。〈どこまでも続いていく 旅路の向こうへ〉というフレーズに象徴される、新たなスタートを鮮やかに告げるナンバーだ。「まばたき」(作詞・作曲RINA)は、エレクトロのテイストを取り入れたダンサブルなポップナンバー。〈あといっかいの瞬きで/溢れてしまいそう〉という恋心を映し出す歌詞を含めて、ガーリーな魅力に溢れている。両極端の魅力を映し出すこのシングルによって、SCANDALは新しいフェーズに進むことになりそうだ。

 “けやき坂46”改め“日向坂46”の1stシングルの表題曲「キュン」(歌詞:秋元康/作曲・編曲:野村陽一郎)は、歌謡曲のエッセンスを感じさせるサウンド、切なさと愛らしさを内包したメロディ、〈キュン〉を連発するサビのフレーズ、そして、〈僕にできることは何でもしよう 君のためなら何でもできる〉というファンの琴線に触れる歌詞がひとつになった楽曲。センターに抜擢された小坂菜緒を中心に、言葉を丁寧に伝えるボーカルワークも好感が持てる。全タイプのカップリングには、恋が始まったばかりの魔法のような時間を描き出す「JOYFUL LOVE」(作詞:秋元康/作曲:前迫潤哉、Dr. Lilcom)を収録。愛らしさ、初々しさ、素朴さをたっぷり感じられるデビュー作だ。

■森朋之
音楽ライター。J-POPを中心に幅広いジャンルでインタビュー、執筆を行っている。主な寄稿先に『Real Sound』『音楽ナタリー』『オリコン』『Mikiki』など。

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