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『3年A組』萩原利久、個性派キャラを脇で支える演技の柔軟さ 2019年の要注目若手俳優へ

リアルサウンド

19/3/9(土) 6:00

 大注目の若手俳優陣の個性と演技が光る『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』(日本テレビ系、以下『3年A組』)で、とりたてて目立つキャラクターを演じているわけではないものの、私たち視聴者に、確実にその印象を残している者がいる。菅田将暉扮する高校教師・柊一颯の内通者であった生徒、逢沢博己を演じる萩原利久だ。

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 朝ドラ『 半分、青い。』(2018・NHK)の永野芽郁や、GENERATIONS from EXILE TRIBEのボーカリストとしても熱い支持を集める片寄涼太。彼らはすでに、演者自身のキャラクターが立っている者たちだ。それに対して、『ソロモンの偽証』(2015)以来、話題作での好演を続け、今作では恋する乙女の顔を見せる富田望生や、舞台で培った技を武器に、『中学聖日記』(2018・TBS)に続いてお調子者に扮する若林時英ら。彼らは、演じ手本人はもとより、演じるキャラクターの個性が際立っている者たちだ。さて、萩原はどうかというと、このどちらにも属していないように思える。とはいえ彼はこれまでに、いくつもの出演作に恵まれてきた。

 主演を務めた『イノセント15』(2016)と『ウィッチ・フウィッチ』(2018)は、小品ながらも各方面で反響を呼び、また同じ事務所の兄貴分的存在である菅田とは、『3年A組』以前に『帝一の國』(2017)と『あゝ、荒野 』(2017)でも顔を合わせている。ここ最近では、『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』(2018)で南沙良と蒔田彩珠という、自身よりも年少の主演女優を脇で支え、思春期の不安や葛藤を細やかに表現。続く『高崎グラフィティ。』(2018)では、高校卒業から社会に出ていくまでの過程の、いわば宙ぶらりんな状態にある若者たちの青春に身を投じ、その群像劇の一端を瑞々しく担った。

 さらに今年に入ってからは、『十二人の死にたい子どもたち』で吃音症に悩む男子高生に扮し、杉咲花や橋本環奈、新田真剣佑に高杉真宙といった、すでに名のある若手たちと演技合戦を繰り広げている。そして戦時下が舞台の『あの日のオルガン』では、傷痍軍人となった若者を演じ、佐久間由衣扮する保育士との淡い恋模様を展開させるなか、徐々に表情の陰りが晴れていく好演をみせた。これらを並べれば判然とするように、萩原は大作から小品まで自在にフィットしてみせている。しかも、どのキャラクターも個性が際立ったものばかりで、それぞれ毛色も違う。ここに感じられるのは、彼の高い柔軟性だ。

 今作『3年A組』で萩原が演じる逢沢は、重要人物でありながらも、冒頭で述べたように、とりたてて目立つキャラクターというわけではない。“冷静沈着さ”と“素朴さ”がこの人物の個性であり、ドラマの盛り上げ役を担当している富田、佐久本宝、若林らと比べると、それは“地味”だとも映るだろう。萩原はこれを等身大で演じ、クラスの平凡な一員に柔軟に溶け込んでいるのだ。それでいて、内通者であることが発覚した場面など、ふいに彼がフォーカスされるときに見せる萩原のパフォーマンスは、いわば瞬発力が要されるものに思える。高い柔軟性と瞬発力の発揮。これは物語に沿った演出に依るところが大きいのだろうが、それに確実に応えられるのが、萩原利久という俳優なのではないか。

 この春に彼は、『電影少女 -VIDEO GIRL MAI 2019-』で初の連続ドラ主演を果たす。これは野村周平と西野七瀬がダブル主演をした作品の新シリーズで、乃木坂46の山下美月とのダブル主演だ。話題作への主演抜擢とあって、これは現在の彼への評価のバロメーターとも見て取れるだろう。この2019年、萩原利久がもっとも注目される若手俳優の一人となることは間違いない。

(折田侑駿)

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