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小瀧望、コミカルな演技が物語のスパイスに 『僕とシッポと神楽坂』相葉雅紀との絶妙なコンビ

リアルサウンド

18/11/17(土) 12:30

 東京・神楽坂を舞台に、「坂の上動物病院」の獣医師・高円寺達也(相葉雅紀)とそこに訪れる動物や飼い主たちの温かな交流を描いたドラマ『僕とシッポと神楽坂』(テレビ朝日系)。

参考:相葉雅紀、2人の女性に見せた異なる優しさ 『僕とシッポと神楽坂』が描いた“親と子”

 第6話では、すっかり「坂の上動物病院」になくてはならない存在となった達也と、動物病院で働き、あっけらかんとした性格で病院内の空気を明るくする広樹(小瀧望)との対比が印象的だった。

 冒頭、しっかり者のトキワ(広末涼子)に注意され拗ねる広樹の様子が映し出される。トキワは広樹に対してはもちろん、達也に対しても物事をはっきり言う女性だが、広樹は達也とは違い、トキワに対してほんの少しだけ反抗的な態度を見せている。小瀧の演技の端々には、彼自身から発せられる若々しさも感じられる。小瀧の子供っぽすぎないその無邪気さのおかげで、達也のしっかりとした一面が際立つ。なぜならトキワと広樹が言い合いをしているとき、達也は彼らを見守りつつ、いつも通りの日常に安心した様子で、仕事に向かっているからだ。

 第6話のストーリーは、第2話で登場した大沢香子(喜多乃愛)が悪質なブリーダーからチワワを保護したところから始まる。保護したチワワに「ロミ」と名付け可愛がる香子。達也はそんな彼女を保護者のような顔で見守る。その顔つきは、いち獣医師として、そしてロミを守りたいと願う香子をサポートする大人としての顔つきだった。

 一方で広樹は、香子より年上ではあるものの、トキワの息子・大地(矢村央希)と同じくらいやんちゃな友達としての雰囲気を漂わせる。香子が「達也とトキワがキスしてた」と話すと、その真相を知るために「本人に聞きに行きましょう」と空気を読まない発言をするのが実にコミカルだ。

 第6話では、チワワのロミを中心に、香子と香子の母・頼子(ホーチャンミ)、そして香子の母であり、達也の義姉である頼子と達也の関係が深く描かれた。彼女たちの関係に関わるシーンに、達也と広樹の対比が必ず組み込まれているわけではない。しかし彼らの対比が描かれることによって、香子と頼子の複雑な心境を際立たせているように感じた。

 特に印象的だったのは香子のシーンだ。香子は、ロミの新しい飼い主を探すうちに「自分がロミを飼いたい」と思うようになっていた。そんな折、広樹が優しそうな飼い主を見つけ出す。彼が見つけた飼い主は、ロミを優しく迎え入れてくれる夫婦だった。しかしその譲渡の場で、香子が浮かない顔をしていることに達也が気づく。達也はその場で「大丈夫?」と気遣う。一方広樹は、香子がその場を離れた後泣き出したのを見て困惑するばかりだった。優しそうな飼い主を見つけるのが大変だったと語る彼にとって、香子が抱き始めたロミへの愛着は予想外だったのかもしれない。

 香子の複雑な心境に気づきながらも、必要以上に言葉をかけず、彼女の意思を尊重する達也。ロミを大切にしてくれる飼い主探しに没頭し、「自分が飼いたい」と涙する彼女には困惑してしまった広樹。彼らの対比がはっきりと描かれたからこそ、香子のロミに対する愛着が視聴者に伝わったのではないだろうか。

 回を重ねるごとに、相葉の真摯な演技の影響が感じられる。誰に対しても穏やかな態度を崩さない達也だが、大地や香子には大人として、獣医師として、動物との付き合いかたを丁寧に伝えていく。広樹とは良い先輩・後輩の関係でありながら、手術の現場では信頼できる仲間として接する。頼子に対しては「姉さんができて嬉しかった」と話し、義姉として慕う姿勢を崩さない。そしてトキワに対しては、彼女に対する好意を感じさせながらも、信頼できるパートナーとして日々向き合っている。

 小瀧が演じる広樹も、その明るくあっけらかんとした性格が、シリアスなシーンの合間に導入されるコミカルなシーンとして良いスパイスとなっている。

 「家族の一員」と向き合う物語には、時に人の心を締め付けるような瞬間がある。しかし相葉と小瀧の演技に求められているものが違うことによって、心癒されるドラマという位置づけが崩れることなく、シリアスなテーマに向き合うことができるだろう。(片山香帆)

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