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乃木坂46 北野日奈子が語る、活動休止と1st写真集で芽生えた良い変化「“新しい自分”を認められた」

リアルサウンド

19/1/14(月) 12:00

 乃木坂46 北野日奈子が、2018年12月に1st写真集『空気の色』を発売。1月7日付のオリコン週間“本”ランキング(集計期間:2018年12月24日~30日)によると累計売上3.2万部を記録しており、BOOK(総合)部門では初登場9位、ジャンル別「写真集」においては1位を獲得した。

参考:乃木坂46 北野日奈子、休業明けから快進撃 アンダーセンターや写真集から選抜復帰への期待

 2017年11月に体調不良から活動を休止し、2018年から徐々に活動を再開。21stシングル『ジコチューで行こう!』から復帰、22stシングル『帰り道は遠回りしたくなる』のアンダー曲「日常」で初の単独センターを務め、2018年12月に2日間に渡って開催された『アンダーライブ2018~関東シリーズ~』では座長としてライブを大成功に導いた。そして休業から約1年、“等身大の北野日奈子”を収めた1st写真集『空気の色』が発売となった。

 今回のインタビューでは、休業中の心境からスウェーデンで撮影された写真集の制作エピソード、そして『アンダーライブ』にまつわる話など、復帰から快進撃を続ける彼女の今について語ってもらった。(編集部)

■「今まで見えなかったものが見えるようになった」

ーー幻冬舎の見城徹代表取締役社長が、2017年1月にトークアプリ『755』で北野さんの写真集について言及し、それがファンの間でも話題になっていました。最初に写真集の話を聞いた時の印象を教えてください。

北野日奈子(以下、北野):写真集を出すという話は、私も『755』で初めて知りました。だから最初はあまり実感がなかったというか、ただ「すごいな」って少し他人事のような感覚で。

ーー写真集の話を知ってから実際に撮影が始まるまでは間が空いたようですね。

北野:そうですね。その間に私が一旦活動をお休みさせていただいたのですが、写真集という大仕事を残して休業するという選択は、色んな方々にご迷惑をかけることになるので申し訳ない気持ちがありました。でも、編集の方からは「どんなタイミングでも大丈夫。私たちは待っています」と優しい言葉を掛けていただいていていたので……本当にありがたいなって。ただ、7カ月間休業していたので、いざ撮影のスケジュールが出た時は不安な気持ちでいっぱいでした。

ーー不安、と言うと?

北野:どういう心持ちで写真撮影に臨めばいいのか思い出せなかったのと、こんなに自信のない自分の姿を写真で切り取られるのが怖かったんです。撮影が始まる当日、成田空港に集合したんですけど、もうずっと緊張でカチコチでした。本当にこれからやっていけるのか、日本からスウェーデンの飛行機に乗っている間は不安な気持ちのままでしたね。

ーーそういう不安や緊張は現地で食事をした際にほぐれてきたとか。

北野:編集の方は、写真集が実際に制作される前からずっと私に気を配っていただいていて。スウェーデンに着いてからも私が楽しく撮影に臨めるような雰囲気を作ってくれたおかげで、心も徐々に開放的になることができました。写真集の後ろの方に少しだけ載っているんですけど、10月31日に現地でハロウィンパーティーをしたんです。各々、日本から衣装を持参してきて、けっこう本格的でした(笑)。私はスタイリストさんが現地で揃えてくれた猫耳とかを身に付けていたんですけど、スウェーデンはあまりハロウィンを盛り上げる風習がないみたいで、現地の人が珍しがって私の写真を撮っていましたね。

ーー(笑)。休業期間中はグループとは少し距離を置くような感じでしたか?

北野:全然そんなことはなかったです。メンバーが出ているバラエティ番組や音楽番組は見ていましたし、休業中だからといって乃木坂46から離れたいという気持ちはなかったです。テレビを見ながら、本当にみんな可愛いなーって(笑)。あと、3期生のみんながどんどん乃木坂46になっていく姿をグループの外から見て、時代の変化というか、時間は進んでいるんだなってことを改めて感じましたね。

ーー『空気の色』というタイトルにはどんな印象を?

北野:初めて聞いた時は、空気の色ってなんだろう……って。でも、そのわからないところに惹かれました。

ーー“空気の色”って曖昧な感じがしますよね。人によって受け取り方が変わるというか。

北野:そうですね。休業する前の私は、物事になんでも白黒付けたいタイプだったんです。例えば、選抜に入りたいとか、やりたいことや目的が割と明確だったし、イエスとノーもはっきりしている方が好きだった。でも、そのうちテレビやライブでは絶対に笑顔じゃなきゃいけないとか、そういう固定概念にとらわれてしまって、だんだん本当の自分て一体なんだろうと見失ってしまいました。そういうことでこれまで悩んだり、つまずいたりすることが多かったんですけど、一度休業したことで今まで見えなかったものが見えるようになって、答えはひとつじゃないんだって気付いたんです。だから『空気の色』というタイトルは、今の私にしっくりきているのかなって思うし、お気に入りです。

■「撮影中は寒くてずっと叫んでました」

ーー北野さんから寒い国での撮影を希望したと公式コメントで拝見しました。北海道出身ということもあって、やはり寒い街や雪原に対して原風景的なものを感じるのでしょうか?

北野:雪もそうですが、特に木に感じますね。北海道に帰った時も道路の脇にまっすぐ立っている木を見て「なんかいいな」って思いますし、寒い国にしか生えていない針葉樹にも惹かれます。それに深々とした空気もすごく好きなので、そこはロケーションで譲れないポイントでした。それに不思議なんですよね、雪なのに温かみを感じられるって。もちろん、撮影中に「寒い!」っていうシーンもたくさんありましたけど(笑)。でも、雪の中で赤い服を着ているカットとか、写真からも暖かい雰囲気が伝わってくるところが好きですね。

ーー特にお気に入りのカットはありますか?

北野:うーん……選ぶのは難しいですね。自分の写真なのに、本当に心から良いと思うことができているんですよ。全然、恥ずかしいとかも思わないですし。だから一番もなかなか決められないんですけど、あえて挙げるなら犬と戯れている写真はお気に入りです。写真に写っている二匹は本当に仲良しで、いつも一緒にいるんですよね。

ーー犬と触れ合っている時間は心が落ち着きますか?

北野:落ち着きます。犬はどの犬種も好きなんですけど特に雑種が好きなんですよ。一番犬らしくて可愛いんですよね。

ーー普段あまり見せることがない、大人っぽい表情をしている写真もあります。自分の中で挑戦した写真はありますか?

北野:撮影前から挑戦だったのは、雪の中でのランジェリー撮影です。東京にいる時に、編集の方が雪原の中に赤いランジェリーで倒れるのはすごく印象的だし、誰もやったことないからいいんじゃない? って提案があって。私もすごいかっこいいなってその時は思ってたんですよ。でも、いざスウェーデンで何日か過ごしてみると、普通の服を着ていても極寒で。撮影中は寒くてずっと叫んでましたね……撮影前から勇気がいるカットでした。

ーー写真を見ているだけで寒さが伝わってきました(笑)。

北野:でも、山に朝日を見に行った時が一番寒かったです。朝日撮影って聞いて、楽しみにして行ったんですけど、着いたらめっちゃ強風で(笑)。スタッフのみなさんが私を取り囲むようにサークルを作って風から守ってくれて、あの時は色んな意味で温まりましたね。

ーー写真集に対して、メンバーや周りからの感想は?

北野:みんなどのカットもすごく良いって褒めてくれます。スタッフの方からは「雪の中でのランジェリーはインパクトがあるね」って言われて、付き合いの長い二期生メンバーは「とぼけた顔が日奈子らしいね」って言ってくれたり。三期生の(大園)桃子とかに「どうだった?」って聞くと、「身体がすごかった」って(笑)。メンバーにこんなに褒められることはなかなかないので、改めて良い写真集になったのかなって思います。

ーー北野さん自身、白石麻衣さんや衛藤美彩さんには恥ずかしくて見せられないと話していましたね。

北野:白石さんにも衛藤さんにも、ドキドキしすぎてもう顔も合わせられないんですよ! たぶん、まだ二人は見ていないと思います。『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)の収録現場に持っていくか悩んだんですけど、やっぱり二人に見せるのは家族に見せるよりも恥ずかしいので……。「日奈子は子どもだな」ってずっとからかわれてきたから、私の大人っぽい表情とかを見られるのが本当に恥ずかしい。勇気が出ないんですよねー、今はまだ。

ーー大人っぽい表情は、自然に作れましたか?

北野:私、真顔と笑顔で印象がガラッと変わるタイプなんです。特に大人っぽい表情をしようと意識しなくても、自然に変化を出すことができました。スタッフの方々がしっかりシチュエーションを作ってくれていたので、そこにあわせて自分なりの姿を写してもらいましたね。

■「写真集では“私らしさ”を壊した」

ーー少し話は変わりますが、今、乃木坂46の写真集はいずれもヒットを記録しています。北野さんから見て、ヒットする要因はなんだと思いますか?

北野:選抜メンバーをはじめ、アンダーメンバーでも個々が活躍しているグループってなかなかないと思うんです。みんなそれぞれ違う輝き方をしているから十人十色の写真集が出来上がるし、だからこそ、あれも見たい、これも見たいってたくさんの人が手にとってくれるのかなって。

ーー北野さんは、今回の写真集でどういう部分を表現したいと思いましたか?

北野:“私らしさ”にとらわれたくないなって。例えば、みなみちゃんは可愛い、白石さんは綺麗、(伊藤)万理華さんは万理華さん独自の世界観があったり……写真集って自分を表現する一冊だと思うんですね。でも、私の場合は逆で。周りからは“太陽キャラ”が“私らしさ”と言われていると思うんですけど、今回の写真集ではその“私らしさ”を壊して、“どれも私だけど、私らしくないでしょ?”という部分が伝わればいいなと思っています。

ーーこの写真集からは、北野さんが“新しい自分”に生まれ変わっていく瞬間が収められている印象を受けました。

北野:活動再開後も、しばらく心に靄がかっているような状況だったんです。それって他のメンバーも経験していることだと思うし、自分を強くする上で大事なことだと思うですけど、私の場合、それをどう処理したらいいのか、これはいつになったら無くなるのかということばかりを考えてしまって、どんどん物事を楽しむことや感動する気持ちを実感できなくなっていました。少しずつ自分の中の感情の動きが鈍くなっていくみたいな……。

 でも、今回の撮影で家族みたいなスタッフとスウェーデンで過ごしたことが楽しくて、みんなと一緒にいることに本当に幸せで。クロワッサンが美味しいみたいな小さなことも含めて、いつの間にか自分の中で感情が動いていることに気付いたんです。そういえば私は周りの人を見たり、季節の空気を感じながら、なにかをイメージしたり考えたりすることが好きだったなって少しずつ思い出していって。どんどん忘れていた感情が溢れ出てくるような感覚でした。この写真集を通して、私自身が“新しい自分”を認められたことによって、アンダーライブを含めて色んな活動に対して前向きになることができました。

ーー先日、北野さんが座長を務めたアンダーライブが開催されました。今回、初めて単独センターを担当しましたが、振り返ってみて北野さんにとってどんな公演になりましたか?

北野:前向きになったと言ったばかりなんですけど、センターに選ばれた時はどうしても「私なんかでいいのかな?」って自信がなくなってしまうことが多いんです。でも、(伊藤)かりんちゃんとかが「日奈子は日奈子らしく引っ張ってくれればいいよ。私がサポートするよ」って言ってくれて。私なりのやり方で座長を務めてみて、こんなに悔いのないライブは初めてでした。途中で靴ひもがほどけちゃったり、あそこをもっとこうしておけばよかった、みたいなところはあるんですけど(笑)。

ーー座長のプレッシャーもあったと思います。

北野:やっぱり、それぞれ個人の活動もあるから、みんなで一緒にリハーサルを行える機会も少なかったんです。私はアンダーライブのことだけを考えていたので、ひとりだけどんどん突っ走っていっちゃんたんですよね。でも、それじゃダメで。私だけが熱い火を持っているのではなく、みんなにもその火を付けていかないといけないって思ったんです。これまであまりしてこなかったんですけど、リハーサル以外でメンバーと話す時間をくださいとスタッフさんにお願いして。そういう話し合いの場でアンダーライブに対するみんなの気持ちをひとつにすることができたし、結果的に誰も欠けることなく同じ空気の温度で行うことができたので、ライブは大成功だったと思っています。

■「「アンダー」はアンダーメンバーにとっての原点」

ーー特に印象的だったのは、「アンダー」に対して北野さんが言った「正解がないところが良い」というライブMCでした。『逃げ水』の際、中元日芽香さんとのWセンターで初めてこの楽曲をもらった時と現在、北野さんの中で曲の解釈は変わりましたか?

北野:最初は、アンダーメンバーも色んな分野で活躍してきて、アンダーライブもたくさん行ってきている中で、「アンダー」を歌うことに違和感をずっと覚えていました。もちろん、好きって言っているメンバーもいたんですけど、私はどうしてもそういう気持ちを隠すことができなかったんです。この曲を歌っている自分が悔しいし、最初はそれがすごく辛かったんです。

 でも、「アンダー」の歌詞にもある通り、それぞれポジションを任せられる理由があって、輝けるのはセンターだけじゃないんだって思えるようになって。例えば最後列の3列目のメンバーが一生懸命やらないと、パフォーマンスの熱量って絶対に前に伝わっていかないんです。前列の子だけが一生懸命でも、お客さんも「あれ?」って戸惑うと思います。ちゃんとそれぞれのポジションに役目があって、そこで光を放とうとみんなが努力しているから輝いて見えるんだって。そういう風に思えたのも休業期間があったからですね。「アンダー」は乃木坂46にとっての「乃木坂の詩」みたいに、アンダーにとっての原点であり、大事な曲だと思っています。

ーー生駒里奈さんや西野七瀬さん、若月佑美さんなど、乃木坂46を築いてきた1期生メンバーが次々卒業し、さらに新しく4期生が加入してくるなど、2018年は乃木坂46にとって大きなターニングポイントになった年だと思います。この一年を振り返ってみて、いかがでしたか?

北野:生駒さんの卒業からはじまり、七瀬さんの卒業で終わる……正直、本当に寂しい気持ちでいっぱいです。でも、卒業していく先輩はみんな、「後輩がたくましくなって乃木坂46を任せられると思ったから卒業するんだよ」って言ってくれて。そういう言葉を聞くと、私たち2期生も3期生も成長しているんだな、先輩たちに認めてもらえてるんだなって実感できました。私だけじゃなく、他のメンバーもより乃木坂46への愛が深まったと思いますし、熱量が増えているのも感じます。先輩たちが築いて、大きくしてきた乃木坂46をこれから先も守っていきたいなって。

ーー北野さん自身も復帰後はアンダー曲「日常」でセンターを担当し、今回ソロ写真集を発売するなど、飛躍の年になったのかな、と。改めて2019年はどんな年にしたいですか?

北野:やっぱり、選抜メンバーを目指していくのがアンダーの軸になると思うので、そこは変わらずに努力を続けていきたいです。個人としては、犬に関するボランティア活動に携わっていきたいですね。実家で雑種の犬を飼っているんですけど、その犬は保健所から引き取った子なんですね。保健所で動物が殺処分になってしまうのは本当に悲しいことだと思っていて、私が仕事の場でそういう世界があることを知らせていくことで、少しでも多くのわんちゃんの命を助けてあげられるかもしれない。そうやって私にできることを少しずつでも頑張っていきたいです。(取材・文=泉夏音)