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欅坂46 平手友梨奈、女優として“覚醒”なるか 映画『響 -HIBIKI-』への期待

リアルサウンド

18/6/28(木) 6:00

 実写映画『響 -HIBIKI-』の主人公・鮎喰響役を、欅坂46の平手友梨奈が演じることが発表され、公開日の9月14日に向けて注目が集まっている。

参考:欅坂46平手友梨奈は女優としても逸材だ! 『徳山大五郎を誰が殺したか?』で見せた将来性

 朝のワイドショーでも大きく取り上げられた平手の映画主演という話題には、大きく分けて2つのポイントがある。1つ目が、現役のアイドルが映画の主演を張るということ。例えば、2015年に本広克行監督がメガホンを取った、ももいろクローバーZ主演の『幕が上がる』、2017年にはメインキャストに乃木坂46を迎えた英勉監督による『あさひなぐ』など、全国の映画館にて上映されたアイドル主演の映画は、そのグループの色が強く、一般的に“アイドル映画”として観られることが多い(両作ともその枠を超えた“青春映画”として優れたものではあったが)。

 2011年に公開された前田敦子主演の『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』、2016年に公開された橋本環奈主演の『セーラー服と機関銃 -卒業-』などは、現役のアイドルが単独初主演を張った例だが、秋元康プロデュースであったり、代々と受け継がれるアイドル映画作品であったりするなど、なかなかその域を達することができないのが現実にあった。

 今回の『響 -HIBIKI-』は、原作コミックが「マンガ大賞2017」の大賞を受賞し、映画会社・テレビ局など10社が実写化に名乗りをあげ、東宝が権利を獲得したビッグタイトル。監督は、映画『君の膵臓をたべたい』のヒットでも知られる月川翔。そして、すでに発表されている通りに、平手以外のキャストには、北川景子、アヤカ・ウィルソン、小栗旬など豪華出演陣が名を連ねている。これまでのアイドルが主演を務めた作品の中でも、平手の主演は一番の“大抜擢”と言ってもよいだろう。

 そして2つ目のポイントだが、平手友梨奈という存在自体が危うく、稀有なものへと昇華しているということだ。2016年にリリースされた欅坂46のデビューシングル曲「サイレントマジョリティー」での鮮烈なインパクトは多くのものを魅了した。センターを務めた平手がまだ14歳の頃である。その凛々しい表情から、欅坂46には笑わないアイドルというイメージが定着し、昨年『NHK紅白歌合戦』(NHK総合)に出演した際の「不協和音」はグループの持つイメージをさらに増幅させていくこととなる。曲中のサビ前に登場する「僕は嫌だ!」という平手の叫び、鬼気迫るパフォーマンスは、彼女のメンタルへの大きな負担となり、昨夏開催された全国ツアー2017『真っ白なものは汚したくなる』を始めに、ライブの途中から出演しなくなるという事態が多くなってくる。平手不在の『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)、冠番組『欅って、書けない?』(テレビ東京系)、そして2周年記念ライブの開催は、センターの平手がいなくとも、私たちが欅坂46であるということを証明した一方で、平手友梨奈という存在の大きさを浮き彫りにした。

 現在、平手の主な活動はラジオ番組『SCHOOL OF LOCK!』(TOKYO FM)内のコーナー『GIRLS LOCKS!』に出演しているのみ。だが、先日の平手の17歳の誕生日、6月25日前にYouTubeの「サイレントマジョリティー」の1億再生突破をファンが呼びかけるなど、平手人気は今も健在である。

 平井堅が平手に強いインスピレーションを受け、44枚目のシングル曲「知らないんでしょ?」を構想したというエピソードも話題だ(参考:平井堅、欅坂46 平手友梨奈とのコラボが楽曲誕生のきっかけに「この世界を歌にしたいなと思って」)。そのきっかけとは、昨年の『2017 FNS歌謡祭』(フジテレビ系)での平井の「ノンフィクション」に、平手がコンテンポラリーダンスを披露したコラボレーション。平井はそのときのダンスを「身を削って表現する少女の揺れる気持ちみたいなもの」と例えていたが、まさに「サイレントマジョリティー」や「不協和音」に通ずる、慟哭する彼女の表情が垣間見える。平手のパフォーマンスは度々“憑依型”と言われるが、それほどまでに見ていて危うさを感じさせる雰囲気を纏っているのである。

 「『サイレントマジョリティー』のPVを見た時から、もし響が実写化するなら、主演は平手さんしかいないなと思いました。響の持つ、媚びない、屈しない、信念の人間、そういったイメージとあまりにもピッタリで。なにより、目が」というのは、原作者である柳本光晴のコメントだ。月川翔監督は、平手をメインキャストに迎えるのは、リスクの大きい選択であることを覚悟しながら、「響役を表現する上で、最高到達点にいけるのは平手さんしかいないと思う」と評価。共演している小栗も「色々なものを背負いながら頑張っている方だと思うので、それが響という役にマッチして、肝の据わっている10代だなと思いました」とコメントを寄せている(参考:小栗旬、『響 -HIBIKI-』で平手友梨奈と初共演 「(平手は)思っていたよりも、すごく“普通”」)。

 平手が演じる鮎喰響は、圧倒的な文才を持った現役女子高生。何事にも動じず、堂々とした雰囲気、自分の感性に従う性格は、“欅坂46の平手友梨奈”に限りなく近い。平手の演技経験としては、欅坂46が出演したドラマ『徳山大五郎を誰が殺したか?』(テレビ東京)、『残酷な観客達』(日本テレビ)があるが、『響 -HIBIKI-』で求められるのは、そのさらに何段階か上の演技力。女優・平手友梨奈として覚醒する姿が、今回の『響 -HIBIKI-』には大いに期待できる。

 また、平手は現役の女子高生であるということも、演じる鮎喰響との共通点にある。現在、平手が出演する坂道合同オーディションCMが流れているが、「いい青春というのが送れない可能性もある」というセリフは、平手の生きている今を、生々しく表した象徴的な一言だ。『響 -HIBIKI-』は、後に平手の青春を切り取った、女優としての大きな一歩として語られるであろう作品になるのではないだろうか。(渡辺彰浩)

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