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10月新ドラマは“2人の中島”に注目! 中島裕翔×中島健人、月と太陽のような演技の魅力

リアルサウンド

18/9/26(水) 6:00

 2018年10月期の新ドラマの中で、興味深い共通点を持つ2作品がある。それは月9ドラマ『SUITS/スーツ』(フジテレビ系)と、新土曜ドラマ『ドロ刑 -警視庁捜査三課-』(日本テレビ系)だ。いずれも手練れのナイスミドルと真っ直ぐな青年のバディドラマ、そしてその青年役がジャニーズの中でも演技派俳優として、着実にキャリアを重ねている中島裕翔(Hey!Say!JUMP)と中島健人(Sexy Zone)の“2人の中島”。今期、2作品を通じて見えてくる、俳優としての“W中島”の魅力に迫る。

●影をも表現できる素直さが、中島裕翔の才能
 中島裕翔が出演する『SUITS/スーツ』は、海外ドラマ『SUITS』の舞台を日本に移し、リメイクしたもの。主人公の弁護士・甲斐(織田裕二)は、優秀ではあるものの、勝つためなら違法ギリギリの手段も取る、かなり傲慢な性格。感情に惑わされることを嫌い、勝利こそすべてという合理主義者。そんな彼を懸念した上司によって、アソシエイト(パートナーとなる若手弁護士)を雇うことを命令されたとき、見たものを全て記憶する天才的な頭脳を持つ鈴木大貴(中島裕翔)と出会う。だが、大貴は弁護士ではなく替え玉受験で生活費を稼ぐフリーターだった。大貴に興味を持った甲斐と、お金が必要な大貴。2人は一世一代の嘘をつき、バディを組むというストーリーだ。

 かつて『半沢直樹』(TBS系)で入行2年目の若手行員を演じ、イケメンなのにどこか会社にいてもおかしくない感を漂わせた自然な演技で注目を集めた中島裕翔。以来、『HOPE~期待ゼロの新入社員~』(フジテレビ系)で新入社員役を、『母になる』(日本テレビ系)で児童福祉司役と正義感の強いキャラクターが、元来彼の持つ性格とリンクし、まさにはまり役となった。『99.9 -刑事専門弁護士- SEASON II 』(TBS系)では、殺人事件に巻き込まれた依頼人として出演し、ドラマのクライマックスを盛り上げた。「とてもスマートで男前なんですが、どこか陰を感じる」とは、映画『僕らのごはんは明日で待ってる』で中島裕翔を主演に、とオファーを出した市井昌秀監督(参照:シネマトゥデイ|中島裕翔の“泣き”の演技がすごいワケ)。市井監督が中島裕翔にリクエストしたのは「背伸びをしない」という点。そして、監督が「ありがとう」と思わず感動したのが涙のシーン。何カットも撮影したにも関わらず、すべて初めて起こることとして、毎回ゼロから泣いていたのだという。

 中島裕翔の演技の魅力をひとことで言うならば、究極の素直さだ。ドラマや映画の撮影現場は、テストを重ね、さらにアングルを変えて、何度も同じシーンを演じることになる。そのたびに新鮮な感情を抱くのは、それだけピュアな感覚でいられるということに他ならない。その素直さは、多くの視聴者と近い視点を生む。クセの強い上司と対峙したときの戸惑い、不条理な現実に直面したときの悲しみ、そしてどうしようもない運命に翻弄されたときの憂い。その誰もが持つ不安定な部分をも素直に表に出せるからこそ、中島裕翔の演技にはどこか“影”を感じるのだろう。

 また中島裕翔自身が、これまで多くの光と影を見てきた経験も演技に生きているようだ。ジャニーズ事務所に入ってすぐに、アイドル雑誌の表紙に登場したり、ドラマに出演するなど華々しいスタートを切った。だが、Hey!Say!JUMPとしてデビューしたころから、急激に身長が伸び、これまでの可愛らしい姿から大きくイメージが変わるという、難しい時期を経験。山田涼介とセンターを交替する挫折も味わった。今では、お互いを唯一無二のライバルだと公言する仲だが、多感な年齢ゆえにデリケートな関係になったこともあった。だが、そうした順風満帆にいかないのが人の世の常であり人間ドラマだ。影と向き合うことで、光の輪郭がよりはっきりする。どんな状況にも果敢にぶつかり、まっすぐな性格を貫き続けていることこそ、中島裕翔の才能だ。

●プラス思考をマナーと捉える、中島健人の可能性
 一方、中島健人が出演する『ドロ刑 -警視庁捜査三課-』は、福田秀の人気漫画が原作。窃盗などの犯罪を追う警視庁捜査三課の新米刑事・斑目勉(中島健人)は、入庁当時のやる気はどこへやら。警察組織の論理や現実を前に意欲を失っていた。そんなとき出会ったのが、痕跡を残さず、残り香だけを置いていく幻の大泥棒・煙鴉(遠藤憲一)。煙鴉は、斑目に興味を持ち、泥棒ならではの視点で捜査に協力してくる。泥棒を目の前にして、捕まえることができない斑目と、そのやきもきする斑目の様子を見て楽しむ煙鴉。さらには、一癖も二癖もある犯人や刑事たちとのやりとりも、大きな見どころとなりそうだ。

 中島健人といえば「生まれながらのアイドル」と称されることが多い。それは端正なルックスに加えて、ファンをとろけさせる甘いセリフをよどみなく言う性格からだ。例えば、つまずいた女性には「大丈夫? シンデレラ」と、とっさに出る人がどれほどいるだろうか。今年の『24時間テレビ』(日本テレビ系)内のドラマで、石ノ森章太郎を演じた中島健人は、その実姉の写真を見て、すぐに「お姉さん、美人ですね」 と口をつく。そこに照れや戸惑いは一切ない。そんな中島健人のキャラクターを決定づけた恋愛シミュレーションバラエティ『JMK 中島健人ラブホリ王子様』(日本テレビ系)では、カメラマンもスタッフも男性ばかりだったという。相手の性別も年齢も関係なく、目の前の人を姫のように大切にもてなすこと。それが、中島健人が生粋の王子様と呼ばれる所以だ。

 本作でも、公式サイトで「“皆様の心、毎週捕まえます!!” ドラマのお話を頂き、その言葉が思い浮かびました」と中島健人節は健在。加えて「遠藤憲一さんとは9年ぶりに共演させて頂きますが、以前“目の芝居がいいね”とお褒めの言葉をいただき感動した思い出があります」と、過去のやりとりを忘れないのも中島健人らしいふるまいだ。その細かな気配りに遠藤も「中島健人くんとは9年前に共演し、まだ少年ながら難しい役を見事に演じていました。その時は医師と患者という間がらでしたが、今度は刑事と泥棒、しかもバディ。大人になった中島くんと再び共演できることが楽しみでなりません」と好印象の様子。愛されることを疑わない中島健人のポジティブさが、共演者との距離を縮めていることも感じられる。

 かつて中島健人は「何ごとも否定せず、プラス思考でいる」をモットーとして語っていた。「これは父親から教わったマナー」とも。もちろん、中島健人にもうまくいかないこともあった。だが、それに目をつぶるのではなく「ありがたい」と受け入れる強さ。そのポジティブ思考は、どんなキャラクターに対しても物怖じせずに果敢に取り組む勇気となって、中島健人のキャパシティを広げている。これまでヘタレな草食系男子から、セクシーなドS王子まで、実に様々な役柄に挑んできた中島健人。彼の人生そのものが、まるで“中島健人”というドラマの主演俳優のように見えるのは、演技そのものを役になりきることではなく、その場その場で求められる作法のように“当たり前のこと”として捉えているからかもしれない。

 影とのコントラストでスタイリッシュな光を縁取る中島裕翔と、ポジティブシンキングでエネルギッシュに照らす中島健人。まるで月と太陽のように異なる2人の演技は、いずれも私たちの心を明るくともしてくれるはずだ。(佐藤結衣)

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