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西野カナとファンが共に戦い続けてきた軌跡ーーデビュー10周年記念公演を振り返る

リアルサウンド

18/11/8(木) 18:00

 西野カナが、10月9日と10日の2日間にわたり横浜アリーナにて「全国アリーナツアー2018『LOVE it Tour ~10th Anniversary~』」のファイナル公演を開催した。

(関連:西野カナとファンが共に戦い続けてきた軌跡ーーデビュー10周年記念公演を振り返る

 今年5月からの全国ホールツアーに続く形で行われた今回のアリーナツアーは、デビュー10周年記念と最新アルバム『LOVE it』を携えて開催されたもの。ツアーの合間には映画『3D彼女 リアルガール』の主題歌として新曲「Bedtime Story」をリリース、さらに先日にはベストアルバム『Love Collection 2 ~pink~』『Love Collection 2 ~mint~』を2タイトル同時発売することがアナウンスされるなど、アニバ―サリーイヤーにふさわしい大きな話題が続いている西野。そんな彼女の絶好調ぶりがさく裂していた横アリ公演より、9日に行われたセミファイナルの様子をレポートしたい。

 開演時間が過ぎ、暗転したステージにキラキラと輝く黒いワンピース姿の西野が登場。割れんばかりの大きな歓声の中、スタンドマイク一本だけのシンプルな演出で1曲目「Girls」を力強く歌い上げる。最後のサビで観客が手に持つフリフラ(無線制御型ペンライト)が点灯し、会場中が緑一色に染まると、その幻想的な光景にどよめきが起こった。「盛り上がっていきましょー!」の掛け声に続き、応援ソング「We Don’t Stop」を歌唱。そして秋らしいチェックワンピース姿に変身すると、可愛らしい振り付けで「パッ」を披露し、会場はひと際大きい拍手に包まれた。

 「今日は長かったツアーのセミファイナルです! 横浜のみんな元気ですか?」と呼びかけ、「今日もブログのコメント読んでたんやけど、素敵なコメントあったから読んでいい?」と恒例のコメント紹介コーナーに突入。小学校3年生の娘と3歳の娘と一緒にライブに来たお母さん、おじいちゃんとおばあちゃんに今日のライブチケットをプレゼントした女性、大学受験の発表を控えた男性、それぞれのコメントを読みつつ、会場の中からコメントを書いた人を見つけ出し、ステージの上から直接話しかける。密なコミュニケーションを取る西野と、それを温かい眼差しで見守る客席のファンたち。この場所が横アリという広い会場であることをすっかり忘れてしまうような、アットホームな雰囲気が漂っていた。

 「みんなで一つになって最後まで思いっきり楽しみたいと思います!」と宣言し、心地よいアコギの音色と手拍子に乗せて「Darling」、「あなたの好きなところ」とゆったりしたラブソングが続く。聴いている一人一人に語り掛けるように、時には優しい微笑みを浮かべて客席を見渡したり、観客と手を振りあったりながらしっとりと歌い上げた。

 そしてここからは5曲続けてメドレーを披露。まさにショータイムのように目にもとまらぬ速さで衣装チェンジを繰り返し、クールからキュートな西野カナへと1曲ごとにくるくると表情を変えて曲の世界観を表現していく。そのあまりの可憐さにところどころで客席からは歓声や感嘆の声が沸いていた。その後は真っ赤なドレスに着替えて「if」、ロマンチックな星空をバッグに「手をつなぐ理由」といったバラード曲を歌唱し、一点の濁りもない美声を会場中に響かせる。ライブ中盤はダンスやDJ、バンドタイムも挟みつつ、手拍子ゲームを盛り込んだダンスメドレーも繰り出し、一瞬も観客を飽きさせないバラエティに富んだ内容でライブが進んでいく。

 終盤のMCでは「この10年間ハプニングだらけで、きっとみんなにカッコ悪いところも見せちゃったんじゃないかな」と10年間の活動を振り返る。「こんな私のこと、よう応援してくれるな」、「本当にみんなが居てくれるからこそです。ありがとう」客席にそう語りかけた後で、「トリセツ」が披露されると〈これからもどうぞよろしくね。/こんな私だけど笑って許してね。〉という歌詞が西野からのファンに対する想いに感じられて、感慨深い気持ちになった。西野の曲は決していつも底抜けに明るいわけではない。落ち込んでいたり、自分に自信がなかったり、そんな感情が描かれていることも多いが、必ずそれを跳ね返す言葉を曲の中に入れている。きっとその言葉は聴く人を奮い立たせるものでもあるし、その曲を聴いて起こるアプローズは西野を励ますものでもある。そのようにお互いに鼓舞し合う関係にある西野とファンが共に作り上げたこの10年は、日々ネガティブな感情と戦い続けてきた軌跡であるとも言える。

 ラストナンバー「アイラブユー」では、ハートの紙吹雪が舞う会場に〈I love you〉の合唱が起こり、ピースフルで温かい愛に包まれながら本編が終演。アンコールを求める声に応えてオレンジ色のニット帽にラフなジーンズ姿の西野が再登場し、移動ステージに乗って会場中を周りながら「Have a nice day」、「Believe」をパフォーマンス。西野と客席の距離がぐんと近くなり、会場はこの日一番の大盛り上がりを見せる。「Happy Time」では、西野に合わせてタオルを回す沢山の手が上がり、最後の締めは「せーの!」の掛け声で会場に居る全員で大ジャンプ。大きな歓声の中、明日への活力が湧いてくるようなポジティブなパワーに満ちたセミファイナルは幕を閉じた。(渡邉満理奈)

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