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ぴあ

いま、最高の一本に出会える

雨月物語

上田秋成の『雨月物語』から『朝茅が宿』『蛇性の婬』の2編を取り出して脚色された溝口健二の名作。戦国時代、琵琶湖にほど近い村に住む源十郎は、戦乱に乗じ一獲千金を狙い、自らの焼いた陶器を売ろうとして、侍になることを夢見る義弟の藤兵衛、そして反対するそれぞれの女房を連れて琵琶湖を渡る。その後、離れ離れになった彼らのうち、藤兵衛は大将の拾い首をして出世を果たすが、妻の阿浜は娼婦に堕ちてしまう。一方、妻・宮木が子とともに決死の覚悟で村へ戻ろうとする中、源十郎は死霊に見そめられ悦楽の日々を送っていた……。全編に宮川一夫のカメラが冴えわたり、特に源十郎と死霊・若狭のシークエンスにおいては幽幻妖美の世界がたぐいまれな映像美として結実している。若狭を演じた京マチ子の美しさ、彼女に仕える老女・右近の不気味なシルエットは忘れられない印象を残す。対する宮木役の田中絹代は母性の優しさを感じさせる好演。第14回ヴェネチア映画祭銀獅子賞を受賞した。

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