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ぴあ

いま、最高の一本に出会える

マルメロの陽光

スペインの画家A・L・ガルシアが、一本のマルメロの木をキャンバスに描き留める姿を、V・エリセが丹念に追った、夢幻的な色彩を帯びた作品。マルメロの木の前にキャンバスを置き、足の位置を固定し、実や葉むらの位置を細心の注意をこめて測定するガルシア。用心深く描かれた中心線は、実が熟し重くなるとともにその位置を少しずつ変え、それに伴って画家の試みは更新されていく……。旧友E・グランとの語らい、家の改修工事を進める中東からの労働者、妻や娘たち、それぞれの姿がまるで観る者の不意を襲うかのように画面を横切っていく。やがて葉は落ち、マルメロの実も熟しきって地面に横たわる。そしてガルシアが見た幻影の中で、夢見るような淡い光が戯れる……。ガルシアの創作態度に、自身の映画への思いをも絡めとるかのようなエリセ。ドキュメントとフィクションがないまぜになった一瞬が快い。

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