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ぴあ

いま、最高の一本に出会える

風の中の牝鷄

第二次大戦中に外地に行ったきり、戦争が終わっても帰って来ない雨宮。妻・時子はその間、なんとか苦しい生活をやりくりしていたが、子供が入院してしまい、ついに経済的に破綻。一夜だけ売春する。やがて戻ってきた雨宮は、ある日その事実を知って……。夫婦の心情的危機状況を、とことんシリアスに描ききった、小津の戦後第2作。どんなシリアスな状況を描く時でも常にアクションやセリフのギャグを盛り込み、軽みのきいた作品に仕上げてきた小津映画の中で、これは「東京暮色」とともに、異色中の異色ともいえる出来ばえ。小津の画面に一度たりとも姿を現さなかった階段が、本作で初めて真正面から登場。小津全作品中唯一のバイオレンス・シーンが展開される。その即物的な暴力描写には誰もが息を呑まされるはず。なお本作は、小津が野田高梧以外の脚本家とコンビを組んだ最後の作品としても記憶されるべきだろう。

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